翻刻
【右丁】
抱(ほう)-朴子(ほくしに) ̄ニ曰(いわく)扶(ふ)-南(なんに)出(こんごうを)_レ金(い)-剛(だす)生(せき)_レ石(しやうに)-上(しやうす)似(し)_二紫(せき)-石(ゑいに)-英(にたり)_一
可(もつて)_二以刻(たまをわる)_一_レ玉(べし)雖(てつ)_二鉄(つい)-椎撃(これうつと)_一レ之(いへとも)亦(また) ̄タ不(よく)_レ能(やふれ)-傷(ず)惟(たゞ)羚(れい)-
羊(よう)-角(かく)扣(これを)_レ之(くわうれば)則漼然氷如(すなはちほつせんとこうりを)_レ泮(くだくがごとし)しかりといへども。
山中一面に。生せず。まれに渓谷(けいこく)にあり。甚
微(び)也此国 剣(つるぎ)山に生ずる所の物は皆剣に
あらず是れ本草に言ふ石英(せきゑい)に似(にた)る
物也石英に三ツあり白(はく)石英 紫(し)石英 黒(こく)石
英 倭名(わみやう)源氏やりとも亦は甲水精(かぶとすいせう)とも
【左丁】
言ふ。しかし水精(すいせう)にあらず。四角六角に
尖(とか)り。鑓の如し。水精の物類(ふつるい)也。俗鬼(そくき)誤(あやまつ)て。
いふ所の剣(つるき)の山は。石英(せきゑい)の類にして。おれす。
石英はおれやすし。水精と蛮語(はんこ)にいふ所の。
ぎやまんとの。同品(とふひん)にて。獄英(ごくゑい)と金剛(こんがふ)石なり。
此(この)故に罪(ざい)人 乗(のぼ)る時は。足さけ血流れて。登る
ことかたし是(これ)慥(たしか)に金剛石也と。偽(うそ)やら信(まこと)や
ら。蛮内か弁舌に。いゝまわされ。和漢(わかん)の
【参考】
《振り仮名:抱-朴子 ̄ニ曰|ほうほくしにいわく》《振り仮名:扶-南出_レ金-剛|ふなんにこんごうをいだす》《振り仮名:生_レ石-上|せきしやうにしやうす》《振り仮名:似_二紫-石-英_一|しせきゑいににたり》
《振り仮名:可_二以刻_一レ玉|もつてたまをわるべし》《振り仮名:雖_二鉄-椎撃_一レ之|てつついこれうつといへとも》《振り仮名:亦 ̄タ不_レ能-傷|またよくやふれず》《振り仮名:惟羚-|たゞれい》
《振り仮名:羊-角扣_レ之|ようかくこれをくわうれば》《振り仮名:則漼然氷如_レ泮|すなはちほつせんとこうりをくだくがごとし》しかりといへども。