翻刻
【右丁】
是金山(きんさん)なり。松柏(せうはく)石上(せきせう)に生(せう)じ又水精石英
の類 生(せうず)る時は。金礦(きんかふ)有り。日本奥州金花山
は周く人の知る金山也。是 水精(すいせう)多(おゝ)し。いま
釼(つるき)の山に。獄英金剛石(こくゑいこんこうせき)多(おゝ)し。山粧(さんせう)慥(たしか) ̄ニ金山
也今金堀をいれて掘る時は金礦(きんかう)出ること
疑(うたかい)なし。若大王釼の山を堀 給(たま)ふ気は
なし。《割書:コレサ〳〵》有とも〳〵。何んても先生呑込て
金にさへ成ることならは我等少しも異変(いへん)なし
【左丁】
兎角(とかく)先生にまかすと。閻王の承知。扨夫より
も。一(いつ)百三十六地獄の鍛冶(かじ)金掘を呼出し。
夫〳〵に申付。閻王は深殿(しんでん)にて。御元服の御祝
儀有り。其外十王 俱生神(くせうしん)。冥官(めうくわん)悪鬼(あつき)に
至(いた)るまて。本多があれは糸髭(いとひん)あり。おかし
きは視目嗅鼻(みるめかくはな)。あたまばかりで体(からだ)【體】はなし。
しかしきらにつらぬは。当世也。扨大王には
打鋪(うちしき)をかけた。高座(かうざ)も。沈金堀(ちんきんほり)り【語尾の重複】の