翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

翻草盲目 - 翻刻

翻草盲目 - ページ 31

ページ: 31

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【右丁】 出。最早只今迄。いろ〳〵の責道具【せめどうぐ】にて責れとも さつはり平気也。しかしなから余り今迄。我〳〵 を鬼のやうには思わす。大呆(おふたわけ)の愚通(ぐつう)のと。信(まこと)の名(な)は いわす。余り口かにくし。かれか口のきかれぬやうに。 舌を抜ならは。一生口をきく事ならす。是にて 当分の腹をいる【注①】かよし。何れもいかゝと。黒鬼かくろ 汗たら〴〵申にぞ。一座も是に一決(いつけつ)せり。泰山王(たいさんわう) 分別らしくいわるゝには。いや〳〵娑婆(しやば)にては。舌を 【左丁】 二枚遣うと云事有。定て蛮内もたいてひのやつでは ないから。あふかた是もこまるまい。此上は彼(かれ)めか罪(つみ) かれめを責(せめ)る。是道也。きやつか思ひ付の釼(つるき)の山へ。 追登(おいのほ)せと。皆〳〵も騒(さわ)き立。蛮内を引立。釼の山へ おひ登せば。蛮内は少も騒(さわ)かす。兼て釼の山は ギヤマン獄英(こくゑい)なれば。羚羊(れいやう)【注②】角(かく)をもつて打砕(うちくた)き 何のくもなく。頂上(てうでう)に登り。煙草(たはこ)ばく〳〵の大安座(あふあくら)。 十王獄卒ども。茶にされ【注➂】たいほど。茶にされ。あれ〳〵 【注① 腹を居る=怒りをしずめる。鬱憤を晴らす。】 【注② カモシカのこと。】 【注➂ 「茶にする」は馬鹿にする意。】