翻刻
【右丁】
またしものこと。冠(かんむり)は十王と間違(まちがわ)ぬやふに。
大王の二字を前(まい)立に付。余(あま)り文盲で根(ね)から
わからねへ。しかつべらし【注】く椅子(いす)に寄かゝり。
前には高坐(こうざ)に打しきを懸 ̄ケ。仏者(ぶつしや)かと
思へは珊瑚(さんご)の飾(かざり)ものを並べ。硯(けん)屏(ひう)筆(ひつ)壺(こ)の
類(るい)を置は。天竺仏道にあらず。宗旨 違(ちが) ̄イ の
儒(しゆ)道の弄(ろふ)物なり。何れに寄る也いづれに随
也。何がどふやらねからつまらん。預弥国(あみこく)【前コマの注参照】の
【注 もっともらしい。】
【左丁】
大王が。世界の内の罪(ざい)人善人を糺(だゝ)【ルビ:ママ】す身分
で。わからぬ形状は是如何。韓退之が服を支しも
尤愚智文盲の夷狄どもが寄合て。己 ̄レ が勝手
のよきやうに法式を定め。《割書:イヤ》地獄の法に
背のと。夫 ̄レ〳〵の罪に落(おと)すは。是蛮夷の
法式也。人間はそれ〳〵の生れし。国法に
随(したか)ふものなれは。中華にては先王の道に
随ひ。日本にては