伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(六) - 翻刻

藩翰譜(六) - ページ 44

ページ: 44

翻刻

【右丁】 よつて便宜の地ゑらんて 要害かまへんとて前田 千太郎を留て城を出つ前田たちまちに こゝろ 変し滝川《割書:左近将監|一益》九鬼《割書:右馬允|嘉隆》と謀合て山口か許 に使者をたつて我等か父子佐久間殿をうらみ参ら する故あつて羽柴殿の御方に参り候ひぬこゝき【「に」の誤記ヵ】 重政の母上此城にとゝめをかれしによつて今 既に 御方の手にわたりぬ重政もし母子の恩を頼み家門の 栄をはかつて御方に参りたまはんには母子の御命 事故なからんはいふにおよはす抽賞さためてすくな かるへからすといはせけれは重政これを聞て重政 【左丁】 佐久間殿に二心を改せさるか故に母を納て質としき若今 母をたすけんとてうしろめたき事あらんには日比の本意 これむなしきに似たりされは古人の申せしにも忠孝二ッ なから全き事を得かたしとこそ侍れ重政既に人に仕ふる 身となれり母をすくふ事及ふへからす詮する所たとへ 不孝の子となりぬとも不忠の人に組せん事かなふ へからすと返答す滝川九鬼これを聞てにつくい物の いひやうかないて〳〵その義ならんには山口めか城せめ やふつてすてばやとて 大野の城にをしよす重政 勢こそなかりけれ所々の御方に急を告寄くる敵