伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(六) - 翻刻

藩翰譜(六) - ページ 7

ページ: 7

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【右丁】 武田四郎これを聞て安からぬ事なりとて同き五月のはしめ みつから多勢を引率し長篠に押よせもみにをふてせむ 信昌わつかの勢をもつて 防き戦ひ寄手手をひ討らるゝ もの数をしらす 《割書:此時勝頼信昌か質とせし妻をはりつけに|して甲斐の国を 出るといふ一説にこの事は目》 《割書:これよりまへの事なりそれゆへに|徳川殿御むすめを下されしともいふなり》徳川殿此よしを聞し召 信長の加勢こふて信昌をたすけ来り給ひしかは同き 廿日勝頼軍勢を引わけ長篠のほとり鳶の巣久間の山 に要害をかまへて守らせ我身はある見原へ打出て陣せらる 此夜美作守貞能案内して酒井左衛門尉忠次等鳶の巣に むかひ明る廿一日の朝敵二ヶ所の要害に押よせ攻む貞能 【左丁】 自ら槍とつてまつ先にすゝむ敵をかけやふつて城中に いらんとす敵又とつて返し戦んとする処に信昌城より 切て出おほくの敵を追はらひ大平口にうつて出作手田嶺 鳳来寺岩小屋等の要害こと〳〵くに降すかくてある見 原の合戦かたきこと〳〵くに敗れしかは信長貞能父子を めされ信昌わつかの勢にて多勢のためにかこまれ敵を打 事数をつくしつゐに御方のうしろ巻をいたし得たり天下に ならひなき名誉なりと感したまふ事斜ならす徳川殿へ 御使あつて《割書:西尾小左衛門|使たりと云》姫君の事仰られしかは頓て彼家へ 入まいらせらる長篠田嶺吉良田原《割書:三河の|地なり》刑部吉北新庄