翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

新竹斎 5巻 - 翻刻

新竹斎 5巻 - ページ 20

ページ: 20

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はなかりけりに。筍斎今は為(せん)かたなく又なき秘書(ひじ)にてあれ ど此上は教(をしへ)申さん。たばこのかたをせんじて用ひ給へといひ 捨(すて)て逃(にげ)かへる。思ふにおろしこといふ事かと皆人わらひ になりぬ。此後はしらず    五 果報(くわほう)は唇(くちびる)につくさが土器(がはらけ) ある日。暮(くれ)に及(およひ)て侍壱人 仕丁(じてう)に駕(かご)つらせて筍斎が家にあ なひ乞(こふ)。身は何がしの中納言につかふる者に侍り。主 人(じん)黄門(くわうもん) いたはる事 侍(はべ)りて。さがなる下屋敷に保養(ほやう)のため罷ある 筍斎老に脈(みやく)を頼申度よし申され打つけなから駕(かご)をつ らせ侍りといふ。筍斎 例(れい)のうそ勿体(もつたい)当所に急病(きうびやう)多(ほをく)侍れ ば。今にも人や参らんといふ所へ。あぶらの代(しろ)を乞(こひ)に来りて此 中申まする油(あぶら)のといひ出せば。明日(あす)〳〵といふてかへす。跡(あと)にて あふらげを好(このみ)ては何ほど薬(くすり)を用(もち)ひても。きかぬはづしやとい ひなをせど人はしりぬ。又女ほう一人 前(まへ)だれすがたにて。つと いりて木(き)やのは拵(こしらへ)てこざるかと。筍斎 貌(かほ)に火を焼(たき)てすかさず 詞(ことば)をけあすやらふといへば。あすあさつてとおしやつても。は てゝこそとのゝしり帰る。跡(あと)で侍(さふらい)へ又あいさつに。只今(たゞいま)の女 娘(むすめ)ひとりもてり。此 者(もの)きやみいたすが。ながび〱性(しやう)で。あすあ さつてと申てもとけしなく。子ゆへにはらをたて侍ると。い ひまぎらすもにくしや。とかくする内 時刻(じこく)うつれば。こなた へとかごさしよせたる。ねめ介こひよ。男どもに留守(るす)よふせ よと。せんしやうつねのごとくいひちらし。かごに打のり行 【参照資料:国会図書館デジタルコレクション>浮世草紙刊行会叢書>第1巻>新竹斎>巻之一-五 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953502/160】