翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

新竹斎 5巻 - 翻刻

新竹斎 5巻 - ページ 21

ページ: 21

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漸(やう〳〵)五更(ごかう)にさがにつけば。いまだ御 寝所(しんじよ)におはしますよし 相まつほどに御 目覚(めさめ)て。筍斎をちかく召れ。はる〳〵よくそや 来り給ふ。先 初見(しよけん)の杯(さかづき)とて御かはらけをたぶ。よもすがらに 月と友(とも)にまいりたるよし申上。例(れい)の口くせおめずおくせず   都よりいたゞきづめの朝朗(あさぼらけ)さかかわらけさか月のかげ と申ければ御きげんよろし〱。筍斎はきゝ及(および)ておや竹斎 から口のかるひ者かなさればこそ杯盃の上も今すこしかるし とくと請よと仰ありて   さかづきの影をさしたる朝朗さががはらけの西にかたふく 事過て御 脈(みやく)を胗(しん)し御請申て薬をあげぬ仕合やよ けん五七ふくの内に御ほんぶくなりぬ。御よろこびかぎり なく殊(こと)に迎(むかへ)に行し侍(さふらひ)が筍かいたうまづしき体(てい)を申 上ければ。黄金(わうごん)おほく。羽二重(はふふたへ)なんどいふ。召おろしの御小袖 えならぬかほりしけるを給はりければ   いにしへのならぬ所帯(しよたい)のやれがみこ     けふはふたえににほひぬる哉 と申上てにしの京へ帰りぬ 新竹斎巻之一