翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

新竹斎 5巻 - 翻刻

新竹斎 5巻 - ページ 48

ページ: 48

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舞(まい)足(あし)のふむ所を忘(わす)れ。伸(のび)つ屈(かゞみ)つもたゆるほどに桟敷(さんじき)より。さ かさまに落(おち)て忽(たちまち)絶(たへ)入ければ。つれの僧どもあはてゝとびおり 見物(けんぶつ)の群集(くんじゆ)立さはひで。水をそゝき薬(くすり)をあたへけるにぞ やう〳〵正気(しやうき)にはなりける。何者かしたりけん。此どしめく 内に一 首(しゆ)を紙(かみ)に書付衣のうしろにはり付たり   名にめてゝおるゝ計ぞ皆の丞われおちにきと人にかたるな 騒動遍照(さうどうへんぜう) とはやひ事しけるに。恥(はづ)かしがりて逃(にげ)帰りぬ。是ほどおかし き事はと語(かた)るほどに。三番叟(さんばさう)始(はしまり)ければ。咄(はなし)を止(やめ)ぬ。此座には 市川かほる。から松かせんなど。筍斎ねめ介にさゝやく。何 と此ふたりの内。いづれかすぐれたる。我は市川にくびだけと いへば。ねめ介こたへて。かせんこそすぐれて覚(おほ)え候へ。かほるは うつりやすきかた有て。からまつのいろかへぬ心におとり侍り。さ れば詩人(しじん)も是にめで此国の風俗(ふうぞく)にもよくかなふ所を名字 と名とに気をつけ御らんあれといへば。夫(それ)はともあれ我心にいはゞ   いちかはゆらしかほる梅がえ とおもふ。ねめ介もかしらをふつて   おもひかねけさから松をいかゝせん とやかましき中にてもすける道とてすてず。さて立役(たちやく)は 藤川(ふぢかわ)武左(ぶざ)天竜(てんりう)馬入(ばにう)大井川よりあらき所もすぐれて 又じつかた。和(やわらき)は小松(こまつ)にかゝる花の藤川ともいはん。仙台(せんだい)が よひ年をして。若(わか)ひ道戯(どうけ)をある人 二十(はたち)とゐめうす。八五七(やごしち) といふ心にや。切(きり)は座(さ)中の大おどりめぐる日すでに。くれ