翻刻
【右丁】
よし其後の小便をとりて見るに、けいふん、毒あれは、けいふん、其侭小便よりいづる妙方也
○寒中こゞえ死ぬるをすくふ神方 越之山中古伝方
すみ火をおこしきんをあたゝむるにやはらかにのびたるものはすくふべし、そばの粉、をあつ
湯にかきたてうすがゆの如くして、少しづゝのますべし寒中冬旅には、そばこ、をくわい中すべし
○くわくらん並に暑気あたりには 播州明石農家方
かべ土、の上をけづりすてゝ中の処をとりあつゆに入すましてうはずみを用て妙○丹波
の人、ほうづき、をくわい中すればくわくらんを防て暑邪にあたらずといふ○桃のは、
たでのは、しほ、を入せんじぎやうずゐすべし○小むぎから、をせんじ用○大同類聚
方に、すべりびゆ、をのきの下につるしおけば暑邪の入る事なしと見えたり
○こひ【注①】《割書:のどけ【注②】|の古名》の水薬口に入らず危きには 長州下関殿峰伝
【注① 喉痺。「こうひ」・「こうひい」とも言う。喉が腫れて痛む病気。】
【注② 喉気=のどの内部が腫れて、飲食や呼吸のときにひどく痛み苦しむ病気。】
【左丁】
、さいかち、のとげ又、ちさの根、又、ふるわらび、梅ぼし、何れも黒焼こにしくたにてのどへ吹
入るべし○、三里【注③】、に灸するもよし○手の大ゆびの爪ぎはより血をとりてよし
○咽に魚の骨の立さしてくるしむには 播州兵庫木又伝
、つめ、をけづり冷水にてのむべし○、南天、の葉をせんじ用○、みかん、の青きを丸ながら黒
焼にしくだにて吹入るべし何にても咽にふさがるに吹入て妙《割書:、みかん、なき所ならばから|たちの青きもよし》一子相伝秘方
○銭金碁石並にもちの類咽に塞りくるしむには村中氏極秘方
、あめ、を多くくはせて、妙也又、ふのり、を呑てよし又、油、と、醋、とを呑てよし○、青みかん、の
なき時は、みかん、又、ちんぴ、にても黒やき吹入るべし○、餅、の類ならば、醋、か、大こん、の絞汁呑てよし
○一切のとげふみぬきの類には 尾州中村民間方
、ばせを、の葉を黒焼にして酒にてゑふ程用一夜の内にぬける奇妙一切のとげ抜に吉
【注③ 灸・鍼のつぼの一。膝頭の下の少しくぼんだ所。】