翻刻
【右丁】
若やむ人あらば、するめ、をひ火にくべて病人にかますべし又病床の下に、にんにく、を入置べし
又せついんのつほの中にも入おくべしかんびやうする人もくわい中すれはうつることなし○
、えやみくさ《割書:りんどう|の古名》又くりの木の皮、桜の皮、を煎用〇又、ばせを、のね又、みやうが又、き
たきす、《割書:ごばう|の古名》のねのしぼり汁を五六はい用べし○むづかしきねつにはまつば手一そくに切、さ
かきのは年の数入右のせんじ汁にて、からもゝ、《割書:あんず|の古名》しほづけの黒焼を用ゆなき時は梅干
にても吉○夏の土用の内毎朝、はじかみ、《割書:しやうが|の古名》一 ̄ト へき【削ぎ】をちやに入てのめば下りはらをや
む事なし此方をしらずもしはやりやむ人あらば第一せついんを別にして其きをかぐべからす
ひきおこし、《割書:延命草|の事》又こまつなぎ《割書:狼牙草|の事》を煎用ふれはやく病並に下り腹ともならすいゆる事妙
△小児達者に盛長する 神授古伝方並に△うみつりがさ《割書:はうさう|の古名》
△のけくさ《割書:はしか|の古名》をかろく免るゝには 伯州米子田代氏一子相伝
【左丁】
小児出生せははやく乳をつくべからず《割書:十二時|過て》母のあらちゝをそのまゝのませて
妙也山中の小児の皆〳〵丈夫なるもこのゆゑなり母のあらちゝをいみきらふは
大きなるあやまりなり世の人々此辱き神授自然古伝方を用ず氏さへ
しれぬうばにちあけと呼て我身よりも、かあいがる小児を病身にしたてゝ
小児医者のすぎはひ【生業】とするはいともおろかならすや○正月元日の朝、あふちの
み《割書:せんだん|の古名》一斤をせんじ其汁を小児にあびせて、かろく免る妙○預防丸方、おほし、《割書:だいわり|の古名》
卅匁、やまひらぎ【山柊】《割書:わうごん|の古名》十五匁、あまき、《割書:かんざう|の古名》五分粉にし、そばのりに丸め当才の小
児三分二才三才は六ふん九分と倍増に用べし稀世の妙方△此等の方を信用せずして
もしめに入んとする時は、牛房、のみを粉にしそくひ【注①】におしませ頭のひよめき【注②】へはりおくべしすでに
目に入たるにも又いらぬ内にもはりおきて妙也又めに入てみえざる時はねずみ
【注① そくひ=ソクイヒ(続飯)の約。飯粒を練って作った糊。】
【注② 新生児の頭蓋の前頭骨と頭頂骨の間がまだ接合していないために、動脈の拍動のたびにひくひく動く頭頂の部分。】