翻刻
【右丁頭書】
事あるべし
○此運の人は兄弟はやく死別(しにわかれ)す
べしもし死別せずば遠(とほ)く国(くに)を隔(へだて)
たがひに力(ちから)になりがたしその上/中(なか)
あしく常(つね)に他人(たにん)のごとくにうとみ
あふ運なり慎(つゝし)みて和合(わがふ)すべし
【○の中に「胎」】《割書:たい|》
この運(うん)にあたる月のうまれは夫婦(ふうふ)
中よししかし中をへだてゝ居(を)る
【挿絵】
【左丁頭書】
ことあるべし家業(かげふ)ははんじやうし
人に重(おも)く用(もち)ひられ仕合(しあはせ)よししかし
ながら若年(じやくねん)のうちはわざはひ
多し慎(つゝし)むべし
○此(この)運(うん)の人は兄弟/他所(たしよ)に遠さかり
隔(へだて)て住(すむ)べしたがひに助(たす)け合(あ)ひ力(ちから)
とならば仕合よし随分(ずいぶん)神仏(かみほとけ)を
信心し慈悲(じひ)善根(ぜんごん)をなさばおも
はぬ福(さいは)ひきたりよろこび事
おほかるべし
【○の中に「養」】《割書:やう|》
この運(うん)にあたる月の生れは夫婦(ふうふ)
同年(どうねん)の縁(えん)ならば長(なが)く繁栄(はんえい)すべし
はじめは障(さはり)あれども後(のち)ほど仕合
よく何事も心にかなふ不信心(ふしん〴〵)な
れば大にわろし
○此(この)運(うん)の人は人前(ひとまへ)をかざる心ある
【右丁本文】
後に石灰(いしばひ)を少しふりかけておくもよし
○饑(うゑ)たる時/早(さつ)そくしのぐ法
一 食物(しよくもつ)なき時大に饑(うゑ)たる時は黄蠟(きらう)を少し
食すべしよく饑(うゑ)をしのぐべし山野(さんや)の猟(かり)
遠境(えんきやう)の旅行(りよかう)などにはかねて懐中(くわいちう)すべし
○鏡(かゞみ)にかきたる画(ゑ)久しくおちざる法
一 雌黄(しわう)《割書:一匁|》 軽粉(はらや) 磠砂(ろうしゃ)《割書:各一分|》
右三味/末(まつ)となし水膠(みずにかは)にてとき絵(ゑ)をかき
て乾(かわ)きたる後火にてよくやきさめて後
鏡(かゞみ)をとぐべしとぎ様は常(つね)のごとし
○鏡(かゞみ)とぎ薬の方
一 白礬(はくばん)《割書:六匁|》水銀(すいぎん)《割書:一匁|》錫(すゞ)《割書:一匁|》鹿角灰(ろくかくはい)《割書:一匁|》
右の薬にて鏡(かゞみ)をとぐべし
【左丁本文】
○正面(しやうめん)石摺(いしずり)の法
一 鉄(てつ)のせんくづ《割書:少|》 白芨(はくぎう)《割書:中|》 白礬(はくばん)《割書:大|》
右三味/醋(す)にてときおもふ事を書(かき)乾(かわ)きて
後上より墨をひくべし又方
一 白芨(はくきう) 細粉(さいふん) 白礬(はくばん)《割書:各等分|》
右三味/酸漿草(かたばみくさ)のもみ汁にてとき字を
かき墨(すみ)をぬりよくほして後薬の粉(こ)を払(はら)
ひおとすべし白字(はくじ)きはやかにあらはるゝなり
かたばみは醋(す)にてもよし《割書:細粉はあとより入てよく|するべし》
○十日廿日/饑(うゑ)ざる法
一 黄茋(わうぎ) 赤石脂(しやくせきじ) 竜骨(りうこつ)《割書:各三匁|》 防風(ばうふう)《割書:五分|》
烏頭(うづ)《割書:一匁|》
右/石臼(いしうす)にてつき蜜(みつ)にて団粉(だんご)ほとに丸(ぐわん)じて
【枠外丁数】廿六