翻刻
【右丁頭書】
ゆゑ兄弟の中も実義(じつぎ)うすし
他人(たにん)には愛(あい)せられ用(もち)ひらるゝ也
されどもとかく誠(まこと)すくなき性(しやう)な
れば末(すゑ)とげかたしよく〳〵実意(じつい)
をつくし人にまじはりてよし
○二十八宿(にじふはつしゆく)吉凶(きつきよう)の事
二十八/宿(しゆく)を年月日時に配当(はいたう)して
吉凶(きつきよう)をことわることもふるき事
にて古人(こじん)の用ひたる証(しやう)あればこゝに
記(しる)して童蒙(どうもう)に示(しめ)す毎宿(まいしゆく)の注(ちう)
初(はじめ)は暦(こよみ)に配当(はいたう)する年月日中は
人事(にんじ)に当(あて)たる行事(かうじ)の吉凶/末(すゑ)は
本命(ほんめい)にかゝる人(ひと)一代(いちだい)の吉凶なり
【星二ッ結ぶ(すぼし)の図】角(かく) 金(きん)に属(ぞく)す
角(かく)の二星(にせい)は東方(とうばう)第一の宿星(しゆくせい)也
造化(ざうくわ)をつかさどる此星(このほし)光(ひかり)あきら
【左丁頭書】
かなれば天下(てんか)大/豊年(ほうねん)也
○此(この)星(ほし)にあふ日は衣服(きもの)の着(き)ぞめ
元服(げんふく)袴着(はかまぎ)婚礼(こんれい)移徒(わたまし)柱立(はしらだて)井掘(ゐほり)
竃塗(かまぬり)神事(じんじ)仏事(ぶつじ)等(とう)何にもよし
但(たゞ)衣服(いふく)をたつにいむべし
○この星にあたりて生(うま)るゝ人は
若(わか)き時は妻子(さいし)につきて苦労(くらう)多
けれとも末にいたるほど諸事(しよし)
心のまゝになるなり
【星四ッ結ぶ(あみぼし)の図】亢(かう) 火に属す
亢の四星/明(あき)らかなれば四海(しかい)太平(たいへい)
にして臣下(しんか)君(きみ)に忠(ちう)をつくし人民(じんみん)
病(やまひ)なし動(うご)けば病多く見えざれば
旱魃(ひでり)なり
○この星にあふ日は牛馬(ぎうば)を求(もと)め
婚礼(こんれい)種(たね)まきによし家造(やづくり)にはいむべし
【右丁本文】
【挿絵】
食(めし)をあくほど喰(くひ)たる後に一丸(いちぐわん)呑(のむ)べし十日
ばかりはうゑぬなり又/餅米(もちごめ)《割書:三合いりこがして|》
黄蠟(くわうらう)《割書:二両わかして|》合せねり丸めおきて食(しよく)す
べしもし後に食事(しよくじ)せんとせば胡桃(くるみ)を二ッ
くひて後に食すべし
【左丁本文】
○鋸(のこぎり)の切口(きりくち)きれいにする法
一 鋸(のこぎり)の引目(ひきめ)をうるはしくするには先(まづ)鑿(のみ)にて
ひと打うちて鋸(のこぎり)を入べし又/竹(たけ)などは紙(かみ)にて
はりおきて乾(かわ)きたる後にきるべし切口甚
きれいなり
○薄板(うすいた)に穴をあける法
一 錐(きり)のさきをぬらしてもめばわれぬなり
○砥石(といし)の直しやう
一 剃刀砥(かみそりど)のゆがみたるを直(なほ)すには板(いた)の上に
こまかなる砂(すな)をまきおきて砥石(といし)をするべし
至てよくおりるもの也/荒砥(あらと)などにては狭く
して摺(すり)にくし此方尤/便利(べんり)なり
○漆(うるし)にてものかく法
【枠外丁数】廿七