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【右丁頭書】
福禄(ふくろく)はあれども火難(くわなん)にあひ財(たから)を
うしなふ事ありよく〳〵慎(つゝし)むべし
【星四ッ結ぶ(みぼし)の図】箕(き) 《割書:土に属す|已上東方の宿也》
箕の四星明らかなれば五穀(ごこく)よく
みのり上下/安楽(あんらく)なりもし光(ひかり)くら
ければ米穀(べいこく)の価(あたひ)高くなる
○無財宿(むざいしゆく)と云この星にあたる
日は池溝(いけみぞ)をほりたからをゝさめ
庭(には)をつくるによし嫁(よめ)どりものたち
にはよろしからず
○此星にあたる人は住所(ぢうしよ)定(さだま)り
がたし又/年(とし)老(おい)てわざはひ有しか
れども人をあはれむ心あらば老(おい)
て望事かなひ幸(さいはひ)を得べし
【星六ッ結ぶ(ひきつぼし)の図】斗(と) 木に属す
【左丁頭書】
斗宿(としゆく)の六星(ろくせい)形(かたち)破軍(はぐん)星に似(に)たり
明(あきら)かなれば天下(てんか)太平(たいへい)なりくらく
小なれば宰相(さいしやう)に憂(うれひ)あり
○不家宿(ふかしゆく)といふ新(あたら)しき衣服(いふく)をた
ち地掘(ぢほり)蔵(くら)たてによし
○この星にあたりて生るゝ人は
福禄(ふくろく)うすししかれども才能(さいのう)あ
りて賢(かしこ)き人に愛(あい)せられ幸(さいはひ)を
得る事あるべし
【星六ッ結ぶ(いなみぼし)の図】牛(ぎう) 木に属す
牛の六星大なれば王道(わうだう)隆(さかん)なり
明かなれば豊年(ほうねん)なりくらくして
曲(まが)れば五穀(ごこく)みのらず七夕に祭(まつ)る
星これなり
○吉祥宿(きちじやうしゆく)といふ此星にあたる日
万(よろづ)よし午(むま)の時を別(べつ)して大吉祥(だいきちじやう)とす
【右丁本文】
○書(かき)たる文字(もじ)夜(よる)光(ひかり)をはなつ法
一 烏賊(いか)の墨(すみ)を器(うつは)にたくはへ陰干(かげぼし)にしてよく
かわかしかた紅(べに)に合せて極上(ごくじやう)の墨(すみ)をすり右
の二味をいれて念仏(ねんぶつ)題目(だいもく)の類をかき香炉(かうろ)
に抹香(まつかう)をふとくもり五寸ほど隔(へだて)てたくべし
火よく移(うつ)りし時みれば抹香(まつかう)の火(ひの)光(ひかり)といかの
墨とひかりあひて光明(くわうみやう)赫奕(かくやく)たるがごとし
○不祥(ふじやう)の香(か)の座敷(ざしき)へ来らぬ方
一 蘿麻草(らまさう)《割書:俗にかとり草ともいふ|はんやのなる草なり》を陰干(かげほし)にして
たくべし不祥(ふじやう)をさくること奇妙なり
○大酒(たいしゆ)して酔(ゑは)ざる法
一 極上(ごくじやう)の美濃柿(みのがき)をへぎて臍(へそ)にあてゝ酒を
のむべし何ほど呑(のみ)ても酔(ゑは)ず且(かつ)あてらるゝ
【左丁本文】
といふ事なし
○酒(さけ)に中(あて)られたる時の法
一 酒にあたりたるには黒豆(くろまめ)の煎汁(せんじしる)をのむ
べしけんぽなしの絞(しぼ)り汁もよし蘆根(あしのね)をつき
くたきて其(その)汁(しる)を飲(のむ)もよし
○硯(すゞり)のねばりを取る法
一 硯(すゞり)の墨(すみ)粘(ねば)りてものゝ書がたきには耳の
垢(あか)を少しいれて摺(すり)まぜてつかふべしねばり
さりてよろし又/紙(かみ)木(き)の類(るい)にじむものに
かく時も此法/甚(はなはだ)よろし少しもにじまぬ
やうになるなり
○蕎麦麺(そばきり)を大食(たいしよく)して満腹(まんふく)せぬ法
一 山桃(しふき)の皮(かは)を粉(こ)にして服(ふく)して後(のち)そば切を
【枠外丁数】三十