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【右丁頭書】
いふことなり又二ッならべて押(おす)を
重(ちやう)といふ四ッ六ッ等も同じまた
三五七は半(はん)といへども一ッは押(おさ)ず
色紙(しきし)短尺(たんざく)におしゑ等を押交(おしまぜ)
るも同じ上下 左右(さいう)の寸法を定
めて四隅(よすみ)よりおしはじめて中は
いかやうにもすべし四時(しゞ)の歌(うた)の
こゝろえ御製(ぎよせい)の歌絵(うたゑ)も真草(しんさう)の
心得あり墨絵(すみゑ)は上 位(ゐ)に押(おす)べし
二ッ三ッならべ押(おし)たる間の寸(すん)を極(きは)
めて違(たが)はぬやうにすべしその
寸の半分(はんふん)を用ひて付札(つけふだ)と
色紙(しきし)との間の寸に定むべし
上下の寸法は上の寸の半分(はんぶん)を履(くつ)
の寸とし上の十分一を加(くは)ふべし
○表具(へうぐ)の仕やう 表具(へうぐ)す
べきものから打したるは水を引
【左丁頭書】
【挿絵・屏風の骨を作っている】
てのし張(はり)にかけ置 絵(ゑ)の裏(うら)に
水をつけ下地(したぢ)の裏紙(うらがみ)をさりて
摺紙(すりがみ)を用ひて腐粘(くされのり)にてうら
打し絵(ゑ)の表(おもて)を外にして假張(かりばり)
につけおきはなして矩よく切(きり)
一 文字(もんじ)をつけ中縁(ちうべり)又上下を
つけ軸挟(ぢくはさみ)の紙(かみ)をつけすらぬ
紙にて裏(うら)を打をはりて中縁(ちうべり)
【右丁本文】
○水(みづ)のかはりに中(あた)らぬ方
一 焼塩(やきしほ)に田螺(たにし)の殻(から)をいれて飲(のめ)ばあたる事なし
又/道(みち)の間(あひだ)にて所々(ところ〴〵)水を一口(ひとくち)づゝのみてゆけば
あたる事なし試(こゝろ)みたる法なり
○水の至極(しごく)よきを知る法
一 至極(しごく)の清水(せいすゐ)は一合(いちがふ)のかけ目(め)三十匁ありこれ
上々の清水(しみず)也と知るべし
○織物(おりもの)の金(き)の真偽(しんぎ)を知る法
一 織物(おりもの)の金(きん)の見分(みわけ)がたきは人の肌(はだ)へあて暫(しばら)く
あたゝめてみるべし本金(ほんきん)は色(いろ)変(かは)ることなし
真鍮箔(しんちうはく)は色(いろ)かはる也その変(かは)りたるを元(もと)の如く
色(いろ)をもどすには雪隠(せついん)の内へ持行(もちゆき)しばらく釣(つ)り
おけばもとのごとく色(いろ)出(いづ)るなり
【左丁本文】
○生花(いけばな)を久(ひさ)しく持(もた)せ花/早(はや)く開(ひら)く法
一 梅桜(むめさくら)の類(るい)何にても生(いけ)んとする時/硫黄(いわう)
を壱匁/花筒(はないけ)の底(そこ)にいれ置/熱(あつ)き湯(ゆ)を
入れてさせば萼(つぼみ)こと〴〵く開(ひら)き花の色
栄(さか)えて久しく持(たも)つこと妙なりまた
牡丹(ぼたん)芍薬(しやくやく)の類は口の小き花筒(はないけ)に湯(ゆ)を
いれて花をいけ花筒(はないけ)の口をふさぎ
おけば三五日もしぼまず見るなり
○花筒(はないけ)の水/凍(こほ)らざる法
一 右のごとく硫黄(いわう)をいれおけばいかなる
寒気(かんき)にも水こほることなし又/蜜(みつ)を
水のかはりに入(いる)れば氷(こほ)らすして花(はな)久し
くたもち蜜(みつ)も損(そん)ずる事なし
【枠外丁数】四十一