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広益秘事大全 3巻. [2] - 翻刻

広益秘事大全 3巻. [2] - ページ 27

ページ: 27

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【右丁頭書】 ○唐紙(たうし)裏打(うらうち)の方 うらをうつべき紙(かみ)を羽重(はがさね)にして 浮石(かるいし)にて紙(かみ)のはしをすり切り くひさき紙(かみ)のごとくすべし四方(しはう) ともにかくのごとくして粉麩(しやうふ)の 粘(のり)にてつぎて巻(ま)き置(おき)さて唐(たう) 紙(し)うらより水を少(すこ)しはけにて しめし巻(まき)おくべし又つぎたる 紙(かみ)を唐紙(たうし)の横(よこ)の巾(はゞ)にくらべて 本紙(ほんし)より少し広(ひろ)く切ておき其 後/板(いた)の上に唐紙(たうし)をおき表(おもて)を下 にして刷毛(はけ)にて皺(しは)なきやうに なでつけさてばしめ【はじめヵ】切置たる紙(かみ) を取て表を下になし唐紙(たうし)の 裏(うら)にあてさて裏紙(うらかみ)の余(あま)りたる 所を一方/板(いた)に粘(のり)を引てつけおき 粘(のり)をつけたる所は二重(にぢう)にまがらせ 【左丁頭書】 板(いた)の脇(わき)へ引かへしさてうら紙(かみ)の おもてに粘(のり)を引て上下の角(かど) をば両(りやう)の手にてとり初(はじめ)のごとく 唐紙(たうし)の上にかぶせかけて上より 水刷毛(みづはけ)にてなでつくるなり此 引かへす時大事なり手しきめば しはになるによりずいふん手心 をやはらかに引かくべしさて仕廻(しまひ) たる所はまきよせて又その次も 始(はじめ)のごとく次第(しだい)に打よせすでに をはりて他(た)の所(ところ)へかけて乾(かわ)かし おくなりその後(のち)にかはぢをして 日用(にちよう)に備(そな)ふる也 ○膠水(にかはみづ)の法  黄膠(すきにかは)《割書:十匁|》 明礬(みやうばん)《割書:五匁|》水《割書:一升|》はじめ膠(にかは)を 水にいれてほとばかしやはらかに なりたる時/器物(いれもの)の中へ熱湯(にえゆ)を 【右丁本文】 にして置(おく)べしいかなる暑中(しよちう)にても二三日 は腐(くさ)ることなしさて取出(とりいだ)し用る時/兼(かね)て 鍋(なべ)を焼(やき)あつくしおきてそのまゝ入て煮(に)る なり若(もし)瓶(かめ)より鍋(なべ)へ入るゝ時/間(あひだ)あれば忽(たちま)ち 味(あぢは)ひ損(そん)ずる也  ○急用酢(きふようす)の法 一 烏梅(うばい)一合を上々の酢(す)五合に浸(ひた)しおき 梅(むめ)に酢(す)を吸(すひ)こみて酢の尽(つき)たる時よく 乾(かわか)して粉にしたくはへおくべし用ゆる時 この粉(こ)を水に入れば上々の酢(す)となる也  ○果物(くだもの)を久しく貯(たくはふ)る法 一 梨(なし)柚(ゆ)蜜柑(みかん)の類(るい)いづれも上々の疵(きず)なき 物を択(えら)み湿気(しつけ)なき床(ゆか)の下(した)を掘(ほり)摺米粃(すりぬか) 【左丁本文】 を厚(あつ)くしき其上(そのうへ)に梨(なし)柚(ゆ)の類をすれ合(あは) ざるやうにおき上に藁(わら)のはかまをあつく 一遍(いつへん)に敷(しき)べしいかほどにても如此(かくのごとく)段々(だん〳〵)にならべ て風のあたらぬやうに木(き)の蓋(ふた)をして おけば久しくしても色(いろ)かはらず風味(ふうみ)もよ きなり又/枇杷(びは)林檎(りんご)楊梅(やまもゝ)の類(るい)は寒水(かんのみづ)に 薄荷(はくか)一握(ひとにぎり)明礬(みやうばん)少し加(くは)へ入れて壺(つぼ)の中に 漬置(つけおく)べし久しく保(たも)ち味(あぢ)もかはらず又 西瓜(すいくわ)南瓜(ぼうぶら)【左ルビ タウナス】の類は高(たか)き処に釣(つり)ておくべし 久しくして損(そん)ぜず南瓜(ぼうぶら)は竈(かまど)の上などに 釣(つり)おけば来年(らいねん)二三月の比(ころ)まで少しもそん ぜぬ事妙なりまた橙(かうじ)蜜柑(みかん)などは菉豆(ぶんどう) の中にすれ合(あは)ぬやうにして入れおくべし 【枠外丁数】四十三