翻刻
【右丁頭書】
る時にじりゆがまぬやうにす
べし
○唐本(たうほん)に裏打(うらうち)する法
先(まづ)うら打の紙(かみ)を板(いた)の上にひろ
け醤麩粘(しやうふのり)をうすくときたるを
一面(いちめん)に刷毛(はけ)にて引その上へ本紙(ほんがみ)
を一枚 表(おもて)を上にしてひろげ
真中(まんなか)より乾(かわ)きたる刷毛(はけ)をおろし
両方(りやうはう)へしはなきやうになで付
べし又その上へうら打紙(うちがみ)を重(かさ)
ね粘(のり)をひき右のごとく本紙
をひろげてなで付べし二十 枚(まい)も
三十 枚(まい)もかさねて後(のち)一枚づゝ
うら打紙の端(はし)をとりて棹(さを)又
はほそ引(びき)を引(ひつ)はりたるにかけ
て乾(かわか)すべしよく乾きて後(のち)小口(こぐち)
を折て石盤(せきばん)にて打べし
【左丁頭書】
○唐本(たうほん)はおほく巻末(くわんまつ)に破(やぶ)れ
たる紙(かみ)を用るゆゑにやぶれ損(そん)じ
てちるものおほし初に海蘿(ふのり)汁
のうすきを以て端(はし)をつけ置
べしすべて唐本(たうほん)をつくらふに
はふのりを用ゆべし
○唐紙(たうし)をうつ法 紙(かみ)百 張(ちやう)を
一重(いちぢう)にすべし張(ちやう)ごとにぬれたる
紙(かみ)を一枚上にかさね十一枚づゝ
段々(だん〳〵)にかさねあげ百十張を一
かさねにし直(すぐ)なる板の上に置
又上にも直(すぐ)なる板(いた)をおき石を
おもりにおけば一時の間をへて
上下ひとしくしめりあふ時 石盤(せきばん)
にてかたはしより念(ねん)を入二三
百ほどうつさて右の内 半分(はんぶん)を
日にほし残(のこ)りたるしめり紙(かみ)と
【右丁本文】
あくれば心(こゝろ)易(やす)くあく也又/鋸(のこきり)小刀(こがたな)の類(るい)を
もこしらへ同くなめくじりを干付(ほしつけ)て用(もちゐ)れ
ばいかなる磁器(やきもの)にても切るゝなり
○鉄(てつ)かな物に錆色(さびいろ)をつくる法
一 鉄(てつ)のかなもの鍔類(つばるい)に錆色(さびいろ)をつくるには
栗土(くりつち)をつけて遠火(とほび)にてやくべし如斯(かくのごとく)
三五度すればよきさび色(いろ)になるなり
○書物(しよもつ)の表紙(へうし)に引(ひく)どうさの方
一 表紙(へうし)或は敷(しき)ぶすま等に引てよきどうさは
葛粉(くづのこ)二合を水一升にてねりて葛糊(くずのり)にし
て引べし又方
ところてんを水に入わかしとらかして引(ひく)べし
若(もし)ところてんなき時はかんてんを沸(わか)して引
【左丁本文】
べし絹(きぬ)にひけばつやありて一段よし絵絹(ゑぎぬ)
のどうさにもよし
○摸様紙子(もやうがみこ)の法
一 大高檀紙(おほたかだんし)にて作(つく)るをよしとす其外は
奉書(ほうしよ)西(にし)の内(うち)にてもたけ長(なが)き紙(かみ)よろしそれを
【挿絵】
【枠外丁数】五十