翻刻
【右丁頭書】
なく来らぬ也/女人(をんな)など人に順(したが)
ひてあるものはよし子午の時に
は少く動(うご)きてもよし海川(うみかは)を渡(わた)
るに甚(はなはだ)わろし万事/信心(しん〴〵)して
無難(ふなん)なり怠(おこた)るべからず
○第五/大安(だいあん)の星にあたる日は
万事心のまゝにて大に吉なり
物を仕(し)そめ縁(えん)をくみもろ〳〵
の勝負ごと公事(くじ)の類いづれも
利運(りうん)を得べし商(あきな)ひは買(か)ふかた
よろし売物(うりもの)はよろしからず巳亥
の方角(はうがく)殊(こと)に吉事あり待人は
早く来る又思ひの外なる幸(さいはひ)の
出来るかたちあり大にすゝみて
何事をもなすべし恐(おそ)れ憚(はゞか)り
てはかへりて凶なり最上(さいじやう)の吉日
とすべし首途(かどで)尤よし
【左丁頭書】
【挿絵】
○第六/赤口(しやくこう)の星にあたる日は
あしき事多し唯(たゞ)日中(につちう)には吉
事あり事をなすは此時なるべし
武士(ぶし)出家(しゆつけ)医者(いしや)などは財宝(ざいほう)をば
失(うしな)ふとも誉(ほまれ)をとり名をあぐる
類(たぐひ)にはよき事あり平人(たゞのひと)は大にわ
ろし動(うご)かば損(そん)をする事あるべし
方角(はうがく)は丑未よし待人は来らず
【右丁本文】
【挿絵】
○虫(むし)を生ぜぬ物だねの収めやう
一 臘月(しはす)の雪水(ゆきみづ)を壺(つぼ)に入れ陰所(ひかげ)にうづみ
貯(たくは)へ置/五穀(ごこく)のたねを浸(ひた)し植(うへ)ればよく旱(ひでり)に
たへ虫(むし)を生ぜずしてみのりよし
○菓樹(くだものゝき)に実(み)おほくする法
一 果樹(くわじゆ)の皮(かは)をうがちて鍾乳(しようにう)の粉少ばかり
【左丁本文】
入るれば実(み)おほく味もまた美(び)なり樹木(じゆもく)の
老(おい)たるも鍾乳(しようにう)をぬりつくればまた繁(しげ)りて
さかんになる尤(もつとも)根(ね)の上に泥(どろ)をぬりおくべし
○白紙(はくし)にて文通(ぶんつう)する法
一 白紙(しらかみ)に酒(さけ)にて文字をかき乾(かわか)してのち
火(ひ)に炙(あぶ)れば文字(もじ)こげて顕(あらは)るゝ也水に入
てもよし又/鉄醬(かね)にて書(かき)て水に入るゝも
よし白くあらはるゝ也/此法(このほう)は先方(せんはう)の人と
かねていひ合せおきてする事也
○寒中(かんちう)河(かは)を渡(わた)りて凍(こゞ)へざる法
一 寒気(かんき)の時川をわたるには手足(てあし)に古酒(こしゆ)
をぬり胡椒(こしやう)をのみて渡るべし凍(こゞ)ゆる事
なしすべて水を遣ふに用ゆべし
【枠外丁数】二十