翻刻
【右丁頭書】
○この運(うん)の人は兄弟/運(うん)つよし
幼少(ようせう)のうちは中よからず十二三才
より十五六までの内に病(やまひ)あり兄
弟とも養子(やうし)にゆき人の家督(かとく)を
つげばことの外/繁昌(はんじやう)する也
【○の中に「衰」】《割書:すゐ|》
この運にあたる月の生れは夫婦(ふうふ)
の縁うすく縁(えん)ありても初(はじめ)のえんは
死別(しにわかれ)するか離別(りべつ)するか二三度も
かはりて後に定(さだ)まるとかく病(びやう)
身(しん)がちなるべしよく〳〵養生(やうじやう)す
べし
○このうんの人は兄弟中よけれ共
とかく仕合(しあはせ)よろしからず浮沈(うきしづみ)たび
たびあり物言(ものごと)辛抱(しんぼう)つよく一心(いつしん)に
かせがば後々(のち〳〵)は仕合なほるべし
信心(しん〴〵)してよし
【左丁頭書】
【挿絵】
【○の中に「病」】《割書:びやう|》
この運にあたる月の生れは夫婦
の縁(えん)おもはしからず無常気(むじやうき)ざして
発心(ほつしん)出家(しゆつけ)の望(のぞみ)たえず又/妻(さい)を
うとみ妻にも疎(うと)まるゝ運なり
たがひにむつましくせば末(すゑ)にては
よき事あり
○此運の人は男女(なんによ)とも兄弟中
【右丁本文】
○白ねり酒の方
一 上諸白(じやうもろはく)《割書:壱斗|》餅米(もちごめ)《割書:壱斗|よくむして》
右二品/壺(つぼ)へ入れよく封(ふう)じ置第七日めに
石臼(いしうす)にて挽(ひ)き又七日やすめおけば風味(ふうみ)よし
○ 塩魚(しほうを)の塩気(しほけ)をぬく法
塩肴(しほさかな)の塩をぬくには木槿(むくげ)の葉(は)とともに
水にひたし半日ほどおけばよくぬけるなり
又上を藁(わら)にて包(つゝ)みて一夜土中にうづみ
ておけば塩ぬけて生身(なまみ)のごとし
○金箔(きんばく)のすゝけたるをあらふ法
一 綿実(わたざね)がらの灰汁(あく)を熱(あつ)くわかして火に
かけおきさめざるやうにして刷毛(はけ)にて度々
すり洗(あら)ふべし新(あたら)しくなる事妙なり案(あんず)るに
【左丁本文】
この灰汁(あく)ねあかを洗ふに甚(はなはだ)佳(よ)し布(ぬの)など
あらへば雪(ゆき)のごとくなる晒布(さらしぬの)に用ゆべし
○塗物(ぬりもの)の煤気(すゝけ)とりやう
一 餅米(もちごめ)の藁(わら)の灰汁(あく)を布ぎれにひたし
あらへばよく落る水気(すいき)乾(かわ)きたる時油にて
ぬぐふべし新(あらた)なるが如し
○油(あぶら)一合にて一月ともす法
一 浮萍草(うきくさ)《割書:六月土用中に取|》瓦松(ぐわしよう)《割書:瓦のうへに生ずる|杉菜のごとくなる》
《割書:草なりこれも|土用中にとる》遠志(をんし) 黄丹(わうたん) 蛤粉(がふふん)《割書:おの〳〵一両|》
右細末にして油一合の目かたの三分一入れ
燈心(とうしん)を浸(ひた)し火を点(とも)すべし
○一寸にて一夜ともる蠟燭(らうそく)の法
一 唐蠟(たうろう) 松脂(まつやに) 槐花(くわいくわ)《割書:各一斤|》 浮石(かるいし)《割書:四十目|》
【枠外丁数】廿四