翻刻
ること多し、故に唯五穀而己を食ふの人は、肥満
すと雖躰躯脆弱、精力強からず、勇気甚だ少し、◯菓
物は、食に供ずべしと雖、決して多食すべからず、
不熟の硬き菓は消化機を損す、必す熟して柔な
る者を食すべし、極寒の國には菓を産せず、暖國
熱國には多く之を生す、是れ寒地にては、菓を、全
く食はざるも、人生に害なきを以てなり、◯蒜菜
また食に供ずべし、然れども此類皆筋あり、其質
木に同くして、消化し難し、故に細嚼【「コマカニカミキル」左ルビ】せざれば害
あり、宜しく心を用ゆべし」、此物血を清淡ならし
むるの効あり、但し芋の類は、酸敗液を生じ易し、
過食すべからず、
甘味の物は、消化の機を妨げ、酸敗液を生じ、腺病
を誘ふ等の如き害あり、多く食ふべからず」、小児
脾疳を患ふるは、甘味の食に因る事多し、尚 ̄ホ後編
小(◦)児(◦)養(◦)育(◦)法(◦)の條下に詳なり、
水質論
凡そ飲料多きが中に、唯水を以て不可缺の物品
とす、他物の如きは、皆廃却するも妨げず、况や酒
の如きは、人命を截短するの斧、人を殺すの毒薬
と伝ふべし、有志の士飲むべからず、
水は飲むべしと雖、天然純潔なる者、決して無し