翻刻
とす、化学士試薬を以て、雑物を撿査す、假(たと)へば消
酸銀液を滴して、雲生ずる者は、格(コ)-碌(ロー)-児(ル)-水-素-酸、或
は格-碌-児-結-合-品を含むの徴と為すが如し、尚 ̄ホ此
他を知らんと欲せば、化学の書を参考すべし、
井水の雑物なきは殆と稀なり、故に常用の水は、
大川の水を良とす、河水流れて数十里を経れば、
漸く甘爛して、柔水となる、《割書:水に剛柔の別あり、剛|水は塩上を含むこと、》
《割書:多量なる者是なり、柔水は之に反するの謂 ̄ヒにし|て、則ち飲に供ずべく、食物を煮る等に宜 ̄ロし、》
若 ̄シ夫 ̄レ止むことを得ずして、剛水を飲んと欲せば、
先づ加(カ)-里(リ)少許を加へて、柔水と為すべし、
雨水は天然の蒸餾水、更に鈍潔と稱すべし、宜し
之を貯へて、飲に供すべし
因に曰く、阿弗利加(あふりか)州◦皮力土尓熱利土(びれどるげりつと)国の南
海中に、十餘島あり、総稱して加那里亜(かんりあ)といふ、
其最西の一島を、勿児魯(へるろ)と名く、此島に一種の
奇樹を産す、和蘭人之を水樹と呼ぶ、其枝葉恒(つね)
に清水を滴下す、若し日光を受れば、其滴下更
に多し、故に土人桶鉢の類を、多く樹下に置き
て、其水を受く、此島中絶へて水泉なしといへ
ども、此水に依て、渇者飲を為し易し、実に造化
の妙手叚といふべし、故に稱して聖水といふ、
一千四百二年の夏、法朗西(ふらんす)人ベテンコウル(────────────)な