翻刻!江戸の医療と養生

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長生法 - 翻刻

長生法 - ページ 13

ページ: 13

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   不飲食を治するの簡法  夫 ̄レ不飲食の病は、胃の敗壊に因る者多し、捨 ̄テ置  く時は百病を生す、速に医家へ走て、治療を乞  ふべし、若し偏僻の地、治療を受るに便なき時  は、先づ此法を用ゆべし、西洋雑記も亦此法を  掲く、今同書を抄すること、左の如し、  奇方秘苑に曰く、予が一親友、曽て園囿を管(しはい)す  る医官の許(もと)に赴きて、奇異非常の薬草を観る  こと多し、此時尋常の草に、驚駭すべき奇功ある  こと知れりと云ふ、是れ園丁(にはおとこ)我友人を導きて、  苑囿を悉観せしめたるが故に、貨を以て之に  謝 ̄セ しかば、園丁また、飲食をすゝむる ○法を傅  へたり、此前友人、不飲食の症を得たることを、  園丁に話せしに、園丁則ち茵蔯(いんちん)【「かはらよもぎ」左ルビ】草を、両手に捧  げ来て曰 ̄ク、此葉を莫大小(めりやす)の中、及び履の裡、足蹠(つちふまず)  の下へいれおきて、毎朝新葉をいれかへ、初の  葉を除くべし、則ち能く飲食することを得べ  しと、友人此法に従ひしに、果して平癒せり、そ  の後いくばくなくして、予もまた此症を患ひ、  食物を吐してやまず、若し温なる食物の香を  嗅(か)げば、忽ち嘔吐を催す、依て此事を偶(たま〳〵)彼友人  に語りしに、友人曰く、此法信ずるに足らざる