翻刻
○衣服
衣服は敢て美麗を㫖とせず、唯清潔なるを以て
主とすべし、脂垢◦衣服に留て、久しく脱せざれば、
蒸気の発散を妨げ、人身をして、再び此汚物を吸
収せしむ、豈大害ならずや、故に屡《割書:〱》洗濯して、頃刻
も汚衣を着すべからず、繻絆(じゆばん)の如きは殊に然り、
《割書:西国にては、奴婢といへども、繻絆を改ること、三|日必らず一回といふ、貴人は推して知るべし、」》
傅染病を患ふる人、曽て着せし所の衣帯には、傅
染毒布目に留て、洗濯するも脱し難し、若し猥り
に之を着すれば、毒気傅染して則ち其病を起す、
《割書:古衣を購ふて、着するは甚 ̄タ危し、是れ從前◦着する|の人、傅染病有りや無しや、之を知ること難けれ》
《割書:ばな|り、》
衣帯は力所及(なるたけ)寛く、且つ軽きを良とす、多血家は
殊に然り、
衣服は木綿を最良とす、小児は殊に然り、貴人の
小児に、壮健なる者少く、下賤の小児、無病なる者
多し、是れ絹の衣服等は、小児に害あるの一證た
り、尚 ̄ホ後編を繙て、此理を明にすべし、