翻刻
床中注意すべき事件左の如し
睡中身躰を屈曲すべからず
手を胸腹に揚ぐべからず
枕の低きと固きとを禁ず
身躰の上部は軽き物を覆ふべし《割書:総て衾衣の重|きは害ありと》
《割書:云ふ|》
○浴湯
夫れ皮膚は、無数の氣孔あつて、是より躰内無用
の物を廢泄し、又有用の物を吸収す、肉眼◦嘗て及
はずといへども、蒸氣◦常に躰外に濛々たり、是れ
則ち人身◦無用の汚物にして、之を蒸発氣と稱す、
若 ̄シ夫 ̄レ障妨あつて、此氣一 ̄ビ止まれば、悪寒◦発熱等を
起す、世に風邪と稱する者は、寒冷の為に氣孔◦閉
塞し、汚物◦血中に留るよりして発するなり、人◦久
しく浴せざれば、脂垢◦全躰に生じて、氣孔を閉塞
し、遂に病を発すは、是れ前文の理と相同し、浴や
怠るべからず、但し之に就て、注意すべき事件◦甚