翻刻
し、故に炭火◦薪㷔の類は、徐々に室内の酸素を吸
収し、炭酸と成て四方に散布す、若し室内の氣新
陳交代せざれば、炭酸の量漸々増加して、人畜遂
に斃る事必せり、冬時温室内に在て、往々頭痛眩
暈等を起すは、炭酸の所為に因る事夛し、又輓近
人身究理家の所説に據れば、卒中の諸症を發す
る事、更に疑を容るべからず、故に火力を以て温
煖を取れば、寒氣防ぎ昜く、毒氣防ぎ難し、思ふに
寒を忍ぶは、害なきに非ずといへども、毒氣を吸
収して、疾病を招くに勝れり、(𤇆突は、炭酸氣を驅
逐するの要器なり、其用法に就て、論示すべき事、
少からずと雖、之を後編器械の條下に讓る、)
試に火爐を日光中に置き遥に之を望めば、火
辺に一種の氣を見る、是 ̄レ即ち炭酸なり
室中に酸素を増加し、炭素を減却するの簡
法
水盤に夥く緑葉を插み、或は大瓶に石灰水に盛
て之を室内に置くべし、《割書:夜間は緑葉を|遠くべし》
動物炭酸を吐けば、植物之を取て、其炭分を奪
ひ、純粹の酸素を吐く、是 ̄レ酸素の缺乏せざる所
以なり、動植此 ̄クの如く相資くるは、実に造化の
妙手段と云ふべし、故に都下の如き、村落に比