翻刻
すれば、人身に害あること、推して知るべし、此
等の理論は、理学化学の書に詳なり、有志の士、
必らず之を讀むべし、
炭素と酸素の親和物は、酸化炭素(◦◦◦◦)及ひ炭酸(◦◦)是 ̄レ
なり、甲の毒は乙の毒に勝る、甲乙相異る所は、
酸素の量に多少あるのみ、
氣含む所の汚物甚た多し、今枚擧せずと雖、偏に
浄潔を思はゞ、悪蒸氣を放つ者の如きは、一切之
を遠くべし、故に汚衣腐魚の類は、居室の辺に置
く可からず、厠は力所及(なるたけ)遠きを良とす、尚 ̄ホ居室の
條下を参考すべし、
○飲食
人の生は其血に在り、血の源は飲食是 ̄レ なり、抑《割書:〻》食
物は胃に入り、消化の後津液と為り、遂に血と成
て全身を養ふ、故に飲食の好悪に隨て、血に良否
あり、血の良否に隨て、身躰に强弱あり、粗食の国
は、人民弱なるを以て知るべし、然れども過食は
大害あり、胃は消化(こなれ)の機を司ると雖、其質◦强 ̄キを極 ̄ハ め
ず、一朝損敗すれば、百病隨て生す、豈慎まざるべ
けんや、是 ̄レ長生法中、最も務むべきの急たり、若 ̄シ夫 ̄レ
之を忽(ゆるかせ)にする時は、他法を守るも、無益に属すべ
し、