翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

養生七不可 1巻 - 翻刻

養生七不可 1巻 - ページ 13

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弁へ幼より強(しひ)【左ルビ「むり」】たる事をなさず其益によりてや 此年月を無事に経て孫子も生し今日にて は人に健なりと羨(うらやま)るゝほどなり然れど生れ得 し病身の治したるにはあらず元より我身のこと なり旦医者のことなれば脈をも診ひ腹をも探り て見るに此所宜くなりしと思ふ所もなしはや 来る春は古希の年に成事なれば其しるしには 目歯の少しあしきまでなり其外は不自由の所も 覚えず健なりと誉らるゝも虚誉【左ルビ「うそぼめ」】にはあるまじ 愚老より年若き朋友どもの丈夫頼に身を 持なせし者は皆千古の人となり今は此世に 在者は少し前に譬へし草木の生長は あしけれど同じやうに花咲実のり枯る時節 までは持つべきといへるは愚老が類ひなる べきか総て血液の不潔なるもの次第よくもれ 去さる時は其余れるもの便よき所に留滞【左ルビ「とヾこほり」】し 積り〳〵て苛烈【左ルビ「からき」】の悪液に変し其極に至りては 楊梅結毒などの多年癒ざる瘡口より流れ