翻刻
し人を見るに血液清潔のものは多く軽症にして
治し易し元より不潔の血液を貯ヘし人は
邪気是に相混じて重症となる所謂邪気乗
_レ虚入といふは此類ひなるべし如許の所を知て
常に血液の不潔とならざるやうに意を用ゆ
べきこと也大凡大病を患る人 快復(くはいふく)の後は多く
病前に比すれば形体壮にして無病なりと
云ふものなり是は如何なる人にても大病中は
飲食をつゝしみ保養を宗とする故なりその
元より積貯へし不潔の血液病中にもるべき
所より泄尽新に生ずる清潔の血液の能養ふ
が故なり是等を以て血液の成立を明むべし又
たま〳〵右説く所の旨に違ひ長命せし人も
あり中島官兵衛《割書:隠居して後寛|亭といへり》といへる人は日々大酒
せしが八十五歳にて死せり西依儀兵衛《割書:成斎先|生といへり》と
云ふ儒生は大食にして美味を嗜し人なりし
が九十八歳にて命終れり三井長意といへる
医生は七十四歳にて男子を生じ其子十九才の