翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

養生七不可 1巻 - 翻刻

養生七不可 1巻 - ページ 17

ページ: 17

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時家を譲り四年隠居して死せり《割書:此長意は直に逢し|人にはあらず其家》 《割書:を継し子を宇右衛門といへり此宇右衛門には親しかりし|ゆゑ其平生を聞り其宇右衛門も七十歳斗にて男子出生有し》悦友太夫《割書:隠居|して》 《割書:徳寿斎|といへり》といふ人ありき生得才気もありしが如何なる 不幸にや其身至て貧しく官途【左ルビ「ほうかう」】の間にも思はざる 事出来て家禄をも甚しく減ぜられ夫のみなら ず其子どもの事によりて隠居して後も罪かう ふりしことありたり他の目よりもかくては命 続くまじなど憐しほどなりしが八十五歳にて 死せり本橋岡右衛門といへるははか〴〵しき身にも あらすしかも微禄【左ルビ「しようろく」】の者にて漸々夫婦のみくらし 子といふものもなく楽しきことも見えざりしか 滞りなく六十七年の勤仕を経九十の年士分に加へ られ九十九歳にてちかき比死せりかくさま〴〵に替り たる人々も皆長命はなしたり何れも同藩【左ルビ「おなじやしき」】の士にて 朝暮出会其平生は知り尽せり悉く心まめにして 動作を嫌はず事に臨て決断よく成と不成を能 弁へしものどもなり然れは稟受【左ルビ「むまれつき」】さへ強き人ならば 少し飲食は度に過ても動作を能し決断よければ