翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

養生七不可 1巻 - 翻刻

養生七不可 1巻 - ページ 25

ページ: 25

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来る物多く心に好ぬものまでも進め与へ自らも貪(むさほ)り 食ひそれが為に苦しみを加(くは)ふる者もありこれらの類ひ 彼も益なく是も益なく終に軽症重症となすに 至るかゝる時に及むては家人も亦同し様に疑惑(ぎわく)し 其決を巫祝売卜(ふしゆくはいほく)に託(たく)し生命を失ふ者 挙(あけ)て計(かそ)へ がたしこれ勢ひあるの妨(さまたげ)にして疑惑(きわく)より誤(あやま)りを 生ずる所なり宜く心を用ゆへき事にあらすや又 都家富豪の人には間々書物 数寄(すき)とて生物識(なまものしり) の輩も有り中には方書の片端(かたはし)をも読(よみ)若(もし)その 人の家に病人ある時は治を託する医者の云事 をも信ぜずひそかに私意を加へて病の手伝 なす事あり所謂書を以て馬を御するの類これ 無益の第一にして却て害を招くの階なり初より 学ひ老にい至りても熟せさるは医者の業(げふ)なり千 態万状の病変 毎事(ことこと)に手がけ心目に慣習し 自ら数人を療治せされば其機会【左ルビ「ぐあひ」】は得かたき物なり 中々 片手業(かたてわさ)になることゝ心得害を招くは不学の 人より却て大なる愚といふへき也斯る家の病者は