翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

養生七不可 1巻 - 翻刻

養生七不可 1巻 - ページ 26

ページ: 26

翻刻

軽きも必ず重きに至る物也諸症ともに漫(みた)りに薬を 投することは仮初事にならず医の業は生命に 係る所なれば自ら求めてかならず其大事を誤る ことなかるへし富有の家いよ〳〵深く心を用ひ 思慮ある人に信実にこれを謀(はか)りて医治を決し みだりなる雑説を執用ひず私意をは猶更に加ふる 事なく常を慎み変を守り功者の一医家に 委任【左ルビ「うちまかせ」】し其【左ルビ「その」】程々に病患はやく回復に至るやうに なすべき事なり富家は万つ事足る身なれば 此所に心さへつきなばなしよきことなるへし   尊貴 ̄ノ病不_レ決_レ治 ̄ヲ 貴人は天の寵霊(ちようれい)によりて生れ給ふ御身なれば 羨むへきの第一なり然れとも死生は天にある 事なれば貴人といへども逃れ給はざるはこの道なり 其病あるに至りては却て不幸にして非命の死を 得給ふ事もあること也是尊貴におはしまして 止事を得ざる処あり如何となれば先 胎(たい)内より 其養ひ天 授(じゆ)自然にたかひ給ふこと多し《割書:賤しき者の婦は|妊める事あり》