翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

養生七不可 1巻 - 翻刻

養生七不可 1巻 - ページ 28

ページ: 28

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衣食はいふに及はす臣僕 妻妾(せいしやう)手足の労を助け参らすに より自然と身の労動も少(すくな)く心の苦労は露(つゆ)ばかりも 知り給はず万事足り給ふ事故却て種々の病因を 醸(かも)し給ふ事おほし又其老少の差別なく病あらせ 給ふに至りては常に持薬(ちやく)といふものを参らせおき腹 内に薬気 馴(なれ)給ふにより事あるに臨(のぞ)むでも其薬効 賤人よりは薄きやうなり稍(やゝ)重症に至り給ふ時は猶 更にして例の大事〳〵を主張し其薬の転すへき 時節にも転せすいたつらに衆医を集めて 衆説を聞彼をも是をも危(あやふ)み懼(おそ)れ無益の事に 時を移し緩急の度を失ひ給ふこと少からず漸く 其評議定り其治を託し給ふに至りても其医者 衆医の聞(きヽ)を憚(はヾ)り十分に此薬的当と思へども古人 の論説に正しく合ざれば大事大切に惑(まよ)ひ意を決(けつ) して調進せず況や出所のなき薬は畏縮(いしゆく)して猶以て 進めまゐらせず或は折角 任(まか)せし他医ありても其 薬をも手医師の内評定まち〳〵にて速に参ら する事おくれ所謂小田原評定のみにて事を尽(つく)