翻刻
【右丁】
からずこれを切(き)れどもきれずこれをうごかせども不動(うごかず)
その天気の盈(みち)てするどなる事をいふ時は石を水中に投(とう)
ずるに天気其石にさそわれてしばらく水中に入る時上に
水おふはるゝが故に底(そこ)よりあはとなりて其気天に皈(き)
し或はまた水滴(みづいれ)のごとき小器(せうき)にて一(ひ)と口(くち)の器(うつは)には天気
かたく盈(みち)たるが故に水入る事なく両口(ふたくち)の器(うつは)に容(い)る時は
一方の口よりは天気去る故にその水器に入るかく天気
のすみやかにしてしかも不息(やまざる)ことを見るべし
○地
地は下なるものなりとおもへどもさにあらず地は天中
【左丁】
にありて渾天儀(こんてんぎ)にて見るごとく上下左右
天にして地は天の中央(ちうわう)に有るものにてたとへば
鞠(まり)を虚空(こくう)にけあげて不落(おちざる)がごとし扨此地
の象(かたち)はいかなるものぞといふに円(まろ)きものなり
其故は天にかたちはなしといへども畢竟(ひつけよふ)は
天のかたまりにして天より生したる地なるが
故に其地の象 円(まろ)ければ天の円き事もしらる
然(しかう)して此地中央に有りて万物を載(の)するに
其かたちまろきものといはゞ下になる地は下へ
落 横(よこ)になる地も下へ落(おつ)べきに何故不落と