翻刻
【右丁】
事なく器物(きぶつ)にかぎらず活物(くわつぶつ)【左ルビ:いきもの】といへども物と名の
付たるものは皆土地 強(しい)ていふときは人も死しての
後土の名を得るにあらず即今(そくこん)土にてしかも働(はたらき)
をなすの土とおもふべし土の事を委敷(くわしく)いふ時は
至て広大(かうだい)なる故に書つくしかたし先あらまし
を記(しる)す
○陰の性
陰の性は下へ引くが陰の性にて其理をいふ時は
人寒気に中(あた)る時はからだ【左に:身】の痛(いたむ)も外より下(さが)る寒気
にて升(のぼ)る陽気をおさゆる故に陽気(よふき)鬱屈(うつくつ)【注】して
【左丁】
いたむなり《割書:人身の痛といふは陽気の|行当る処有時は痛を知る》寒は陰なるが故に人身
の表より胃(い)中をさして入る是土に皈(き)するの理に
して胃は《割書:脾胃|をいふ》人身の中 央(わう)にありて地の天中に
有るがごときものにて上下左右より胃中をさし
て入る是地心をさして皈(き)するの理也故に寒邪
の人身に附(つい)て四方より胃中をさして入るは万物(はんもつ)
の地心をさして土に皈するの理なり
○陰陽 相得(あひへ)て働(はたらき)をなすの理
陰陽相得て用(はたらき)をなすの理は陰なくしては陽の
はたらきなく陽なくしては陰のはたらきなきもの
【注 欝は俗字】