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【右丁】
なく位したるを無病の人とはいふべし
○人は一箇(いつこ)之 小天地(せうてんち)といふの理
古今人身の理を論(ろん)するに人は一箇の小天地と云
事有りてこれをくわしくいふときは四肢百骸(ししひやくかい)は天地
のごとくおの〳〵其位を守りて違(たか)ふ事なく頭(かしら)は
上に有て其位を守り手は次に在りて其位を
守り足は下に有りて其位を守る是天地位して
違(たが)ふ事なきがごとし又一身を地の位にしていふ
ときは地は万物を生(せう)ずるを性とする故に人をはじめ
禽獣(きんじう)草木(そうもく)有りて面部(めんふ)を人 倫(りん)とし手足を禽獣(きんじう)
【左丁】
虫魚(ちうきよ)とし爪甲(しかう)【左ルビ:つめ】毛髪(もうはつ)【左ルビ:け かみ】は非情の草木のことし又一身
を天地に統(すへ)ていふときは両眼(りよふがん)を日月とし陽気を
火とし血液を水とし肉を土(つち)とし骨を石(いし)とし肌(はだ)
膚(へ)を金(かね)とし毛髪(けかみ)を草木とし耳(みゝ)鼻(はな)舌(した)をはじめ
四支(てあし)を有情のものとす又一身を君臣(くんしん)にたとふる時は
眼(かん)耳(に)鼻(び)舌(ぜつ)は君のごとく手足は臣(しん)【左ルビ:けらい】のごとし其故は
眼耳鼻舌のさだめを以て命(めい)ずる時は四肢 意(こゝろ)のまゝ
に慟(はたらき)をなす扨此眼耳鼻舌をはじめ四肢百 骸(かい)をは
たらかすものは何ものなるぞといふに是則心にて
是を天地の上にていふときは則一元気なり其一元