翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 25

ページ: 25

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【右丁】 の気をもつて陰陽相 和(くわ)し百 骸(かい)を養(やしの)ふ又天地 の上にても陰陽相和するときは寒熱(かんねつ)相得て万物(はんもつ) 養(やしな)はれ一身の上にて陰陽相和するときは一身 安寧(あんねい)也 譬(たとへ)は天旱(てんかん)【ひてり】数月(すけつ)なる時は陽気 偏勝(へんせう)して 川流(せんりう)の水気(すいき)乾(かわ)き人身の上にて血液をほろぼす ときは陽気 偏勝(へんせう)して火動(くわどう)をなす是を火の 亢(こうぶ)るといふ又 霖雨(りんう)数旬なる時は偏勝して水 気多きがごとく人身の上にては陰 有余(ゆうよ)の病 にて水腫(はれ)病(やまひ)或は婦人(ふじん)経閉(けいへい)のごとく天地の間にて も陰陽偏勝するときは疫癘(ゑきれい)の気行れ人多く病(やみ)て 【左丁】 非情の草木まても茂熟(もしゆく)する事なし ○陰陽 相(あい)反(はん)して人身の働(はたらき)をなすの理 人は一箇(いつこ)の小天地なるが故に清(す)めるは升(のぼ)りて天と なり濁(にご)れるは下りて地となるの理にて陽は上 に位(くらゐ)し陰は下に有りとおもふべからず是ははじ めにもいふごとく天地の定位(でうゐ)にて其陰陽は升降(せうかう)【左ルビ:のほりくたり】 開閉(かいへゐ)【左ルビ:ひらきとづる】の気をもつて天地 造化(ぞうくわ)の用をなすもの にて人身もまた其ごとく胎中(たいちう)にてかたちを 結(むす)びしより陰は上になり陽は下になりたるもの なり故に升(のほ)らむとする陽気を閉(とぢ)降(くだ)らんとする