翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 26

ページ: 26

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【右丁】 陰をたもちて人身のはたらき有るものなれ然れ ども陰陽の性をいふときは天地 開闢(かいひやく)より陽の性は 上に引揚るが性なる故に人食をほしゐまゝにして 起居 動作(とふさ)をなさずといへとも人身の陽気は日夜(にちや) 毛孔(けのあな)より発越(はつゑつ)【左ルビ:ぬけいつる】して天に皈する故に時にして 空腹(くうふく)になり陰(いん)もまた天地 開闢(かいひやく)より陰の性は土 に皈せんとするか性にしてたとへは上下より相ひくか ことく此ひつはり切るゝ時は陰陽おもひをとぐる 故に陽は天に皈し陰は土に皈し尽(つく)す故に人 死する也故に人の生るは清(すめ)るは升(のぼ)らんとし濁(にこ)れ 【左丁】 るは降(くた)らんとしてこそ人身のはたらきはあるべけれ いままたこれを近(ちか)くいはんに陽(よふ)は升(のぼ)り陰は降るか性 なれども夫にてはたとへば物を煎(に)るに火を上にして 水を下におくは天地の定位(でうい)にて清めるものは升(のぼ)り 濁れるものは下るなれどもかくのごとくにては終に 水湯となる事なく是則陰陽 反(はん)して湯(ゆ)となる の理なり人倫(じんりん)鳥獣(てうじう)草木(そうもく)の生長(せいてう)するも此理(このり)にて 地心の陰よりは下へ引く故に根(ね)有りまた太陽(たいよふ)の 陽(よふ)をもつて上へ引く故に枝葉(ゑだは)天に聳(そび)ゆ是下る 津液(しんゑき)《割書:水けの|事なり》を上へ引き上るは陽気其陽気をおさゆる