翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 27

ページ: 27

翻刻

【右丁】 は津液(しんゑき)にて上下(うへした)より相引(あひひく)がごとく人も其理にて 生長(せいてう)する故に人(ひと)食(しよく)を絶(せつ)【左ルビ:たつ】するときは死す是の升(のぼ)る 陽気をおさへざる故陽気天に皈(き)して死(し)する也 人にかぎらず生あるもの各陰陽相 反(はん)して生て 居(ゐ)るといふ事を知るべし ○息(いき)といふ事 息といふ字は自(みづから)の心(こゝろ)と書(かき)て息(いき)と訓(くん)す則 呼吸( こきう)の 気をいふ人 生(いけ)るの本なりいきと訓するも生(いき)と息(いき)と の和訓相 通(つう)ずる故いきと訓ずるか一 切(さい)の活物(くわつふつ)は皆(みな)息 にて生て居る事を知るべし此息のもとは元気(けんき) 【左丁】 なり天に有りては元気といひ人に有りては息(いき)と いふなり故に呼吸(こきう)の往来を閉(とづ)るときは忽(たちまち)死(し)す爰に 其理をいふ金(かね)を堀(ほ)るもの地(ち)に入る事 深(ふか)くして 天気(てんき)の往来(おゝらい)せざる処まで堀り入る時は灯火(ともしひ)忽 消(きゆ)る火消る時は人も忽死するとなり是元気の 往来を閉る故に呼吸を絶する也故に迴風路(くわいふうろ)と名 付て穴の内に瓦(かわら)の筩(つゝ)をならべ敷(しい)て天気の往来を なさしむ是(この)理を近(ちか)く知るには虫(むし)をとりて一器(いつき)に 入れて蓋(ふた)をかたく閉其ふたの口を帋(かみ)にて張(は)る ときは其器の内元気の往来を閉る故に内なる