翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 28

ページ: 28

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【右丁】 虫の呼吸を絶して虫の死するも是息をきるの理 にて元気に離るゝ也火のきゆるも其理にて器(うつは)に 納(いれ)て上よりふたを閉元気の往来を絶(たつ)ときは忽火 消ゆ是火の息をとむるが故なり一切の者を生(せゐ)々 する事此理にて考(かんが)へ知(し)るべし ○命(いのち)の事 天の元気を人に賦(ふ)【左ルビ:しく】する事 命令(めいれい)する処有るがごとき 故にこれをさして命といふ則 息(いき)の事なり故に 息 絶(たゆ)る時は命 尽(つく)るにいたるしかうして此息の初め て人に通するは人 生(うまれ)て初声(はつこゑ)を発する時風気 鼻(はなの) 【左丁】 孔(あな)より入る其とき肺(はい)の臓 張(は)り又其気を口より出す此時 に肺の臓 縮(しゝ)まる此出入りの気を名付て呼吸といひその 呼吸せしむるものを名付て元気といふ此事傷寒 外伝にも見へたり扨此元気は天地の間に固(もと)より 有るものにて人のいまだなき以前より有て古(いにしへ)も 今もかはりはなきもの也是を蝋燭(らうそく)に火を灯(とも)すに たとふる時は蝋燭は人火は命(いのち)にて其蝋燭を立ならべ 次第に火を灯(とも)すに其火の光(ひか)り先(さき)の火後の火とて 火に変(かわ)りはなきがごとく人の命もいにしへの命今の 人の命と命に変(かわ)りはなしされと其蝋燭のよきと