翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 33

ページ: 33

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【右丁】  みだりに不及する故に短命なるも有べく又実に  養生のまもりよきといへども生質(せいしつ)虚弱(きよじやく)の上 遺毒(いどく)胎(たい)  毒(どく)のわざにて短命なるもあるべし又養生の守り  不宜して長寿(てうじゆ)なりといふ理は曾てなき事にて  初(はじ)めにもいふごとく多(おゝ)くは慎をのみ養生と心得る故  其意に背(そむ)くにより夭死(よふし)を招(まね)くこと多(おゝ)しまた  もとより養生は人々の節(せつ)を守るにありて世人(せじん)  の見(み)る処(ところ)にては大過(たいくわ)して不養生と見ゆれども  これ其人の節(せつ)に当(あた)りて長寿(てうじゆ)を保(たも)てるもあるべ  くまた生質(せいしつ)壮実(そうじつ)のものにて実に不養生にて八十 【左丁】  迄も生しもの此人もし養生を守る時は百歳(ひやくさい)の  余(よ)にも極(きわ)めていたるべきならむ故に養生を守り  ても短命(たんめい)にて不守しても長寿なりといふは  曾(かつ)てなき事にて只我にうくる処の器(うつは)によりて  彼人の過(くわ)は是人の不及に当り是人の不及は彼人  の過にも当れば只 我節(わがせつ)を知る事養生の大意(たいい)  なるべし ○心(こゝろ)の事 養生の本は心を養ふ事を専務(せんむ)とす然るに其心は 人々一身の主宰(しゆさい)とするものなるを其理を不知して