翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 35

ページ: 35

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【右丁】 たとふるにいかなる大魚(たいぎよ)といへども大儀(たいぎ)にもおもわず 養ふがごとし然れども人(ひと)は空中(くうちう)に住(すみ)て空(くう)を知ら ず魚は水中に住(すん)て水を不知といへるごとく此(この)徳(とく)目(め) に見へぬ故不知也いかんとなれば其(その)本元(ほんげん)声臭(せいしう)【左ルビ:こへ におひ】なく 限量(げんりよう)【左ルビ:かぎりはかり】なく私慮(しりよ)分別(ふんべつ)を離(はな)れたるものなるを以て 孟子も至大至剛(しだいしがう)なりといゝ又 難言(いゝがたき)といふも此事 なり斯(かく)のごとく霊妙(れいめう)不思議(ふしぎ)なる徳を人にうけ たる故に衆理(しうり)をそなへて万理に応(おゝ)ずるの徳有り故 にまた其名を主宰(しゆさい)とも本心とも又 仏家(ぶつけ)には仏(ぶつ) 性(せう)とも本来 面目(めんもく)ともいふかの明徳(めいとく)といふも其心の 【左丁】 明らかなる徳(とく)をほめたる名(な)にて其心の人に具(そなは)るは 未生(みせう)の前(まへ)稟受(うくる)の時よりこれをうけて己に具(そなは)りたる ものなり扨其心の事を孟子 尽心(じんしん)之 篇(へん)の註(ちう)に 程氏曰(ていしのいわく)心也(しんなり)性也(せいなり)天也(てんなり)一理也(いちりなり)自理而(りよりして)言謂之天(いふときはこれをてんといゝ) 自稟受而(うけうくるよりして)言謂之性(いふときはこれをせいといふ)自存諸人而(ひとにそんするところより)言謂之心(いふときはこれをこゝろといふ)張子(てうしの) 曰(いわく)由大虚有天之名(たいきよによつててんのなあり)由気化有道之名(きくわによつてみちのなあり)合虚與(きよときとあわせて) 気有性之名(せいのなあり)合性知覚(せいとちかくをあわして)有心之名(こゝろのなあり)とありて空(くう)に 由(より)て天(てん)の名(な)有り気化(きくわ)によつて道(みち)の名有り虚(きよ) と気(き)と合せて性(せい)の名有りといふて万物(ばんもつ)かたちを あらはす各(おの〳〵)性有り故に雨情(うぜう)非情(ひぜう)のものともに