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【右丁】
の用(よふ)をなす事なし是(これ)もまた養生にあらず爰に心得
へき事あり万事に体(たい)用(よふ)といふ事 有(あ)りて此 体(たい)用(よふ)の
理(り)を弁(べん)ずる時は万事に益(ゑき)ありこれ心と体(からだ)を体(たい)用(よふ)に
分ちいふときは心(こゝろ)は体(たい)にして体(からだ)も衣服(いふく)も家宅(かたく)も用也
故に体(たい)の為(ため)に用(よふ)を曲(ま)げて用(もちゆ)るは有るべき事なれ
ども用(よふ)の為(ため)に体(たい)を曲(まぐ)る事はなき事にて是心の為
のからだなるが故也 然(しか)るに世人(せじん)多(おゝ)くはからだの為(ため)の心(こゝろ)
にする故に害(がゐ)有り譬(たとへ)ば衣類(いるい)は体(からだ)の為(ため)の用(よふ)なれども
衣類(いるい)をのみ大事とおもひ雨(あめ)降(ふ)りの時(とき)はだかにて
雨に濡(ぬる)るがごとく是(これ)体(たい)用(よふ)をあやまりたるの甚しき
【左丁】
なり兔(と)角(かく)一切の事心の為(ため)とおもふてする時は養生(よふぜう)
にもかなへども体(からだ)の為(ため)にすると思はゞ養生には曾(かつ)て
かなはざるべし体(からだ)も心の用(よふ)衣食(いしよく)も心の用 食(しよく)する
ときは口にうまきとおもへども是(これ)を過(すご)す時は必よろ
しかるまじとおもふ是則心のおもふ処なれば先其
心に問(とひ)て然(しかう)してこれを食する時は難(なん)なかるべし
故によく〳〵心の為(ため)の体(からだ)なる事を知(し)りて体(からた)の為
の心にはなすべからず扨其心に体(たい)とする処(ところ)のもの
ありて聖人も《振り仮名:君子有_二 三畏_一|くんしにみつのおそれありと》のたまひて《振り仮名:畏_二 天命_一畏_二大|てんめいをおそれたいじんを》
《振り仮名:人畏_二聖人之言|おそれせいじんのことをおそるゝと》の給ひて此(この)三畏(さんい)を体(たい)として他事(たじ)