翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 47

ページ: 47

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【右丁】 は其水 減(げん)ずる事有りて皈(かへ)る事なく終(つい)に陰虚(いんきよ)火(くわ) 動(どふ)の症(せう)をなすこれもとより人身の血液はわづかなる ものなるに大(おゝい)なる陽と相対(あひたい)し居るもの故に陰(いん)に いさゝか不 足(そく)を生(せう)ずる時は陽気 忽(たちまち)偏勝(へんせう)する事 早(はや)し 是本の大なるか故なり人多房なる時はみだりに陰 を亡(ほろぼ)す故に陽気(よふき)偏勝(へんせう)して火動(くわとふ)するなり近来 みだりに癇症(かんせう)といふも是皆陰を亡(ほろぼ)して陽気 勝(かち)に なりたる故にみだりに怒(いか)り憤(いきとふ)るなり皆(みな)是(これ)陰虚(いんきよ)より 火動(くわどふ)するの証(せう)なり ○人身 虚実(きよじつ)の事 【左丁】 人の虚実(きよじつ)は朱子のいへるごとく仁義(じんぎ)礼智(れいち)の性を以て せずといふ事なしといへども其うけたる事ひとしき 事あたはずといふごとく人々にうけたる器(うつは)によりて 虚実(きよじつ)は有るものなり人の元気は心肺の虚実にあり て心肺のふゐごの具合(ぐあい)よき人は陽気の作(つく)り出(いだ)し よし其陽を作り出(いだ)すは起居(ききよ)動(どう)作にあれは起居 動作をせざる時はふいごのいきおひゆるくなりて 陽気一身に不充(みたず)この人をさして虚人といふ故に つねに安逸(あんいつ)を欲せず起居動作を専(もつはら)にして陽気 をみたしむる事をなさば外邪(ぐわいじや)に侵(おか)さるゝ事もあるまじ