翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 55

ページ: 55

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【右丁】 陽気に載(のせ)て吐(と)する故に先初めには升(のほ)る味方の陽気(よふき) を打(うち)これを救(すく)ひ扨其後に犀角(さいかく)を以て四方の塞(ふさが)りをり ひらきて後(のち)に補血(ほけつ)の薬を用ひ血の不足を補(おきの)ふ是 初三黄湯を用るは味方を打て急をすくふの理にて その外の病に血をとりて病を治すも亦(また)同(おな)じ理也 此味方打の療治は心得(こゝろへ)有べき事なり ○一切の薬種皆 薬(くすり)又皆 毒(どく)となる事 臨(りん)_レ機(き)【左ルビ:きにのぞみ】応(わう)_レ変(へん)【左ルビ:へんにおゝする】の理(り)を知らざる人は人参は命(いのち)ものぶる様に おもひ附子(ぶし)石羔(せきかう)は毒薬(とくやく)のごとくおもへども左(さ)にあらす 先 近(ちか)くいふときは米は命(いのち)を保(たもつ)ものなれども食滞(しよくたい)の者(もの)に 【左丁】 推(おし)て用(もちゆ)るときは必す害(かい)を生(せう)じ人参は命(めい)を救(すく)ふの薬 なれども一毒(いちどく)あるものに用るときは害(がい)をなす附子(ぶし)は陽 を助(たすく)るの良薬(りよふやく)なれども熱症(ねつせう)のものに用る時は反(かへつ)て病を 助るごとく一切の薬種(やくしゆ)皆々かくのごとし故に此事をよく〳〵 知りてよろしきに随(したが)ふて用るときは礜石(よせき)【誉は誤】の毒(とく)を以て 毒(とく)を制(せい)するの功もあれば人参といへどもこれを用ゆる法を 誤(あやま)らは反(かへつ)て命(いのち)を失(うしの)ふにあたらん ○熱(ねつ)の理 熱(ねつ)といへば邪気の様におもへども熱は邪気にあらず正陽 の気の重りたるものにて湯の至て煮(にへ)たぎりたるを