翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 59

ページ: 59

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【右丁】 緩病(くわんびよふ)にて医薬の不及なといふ是皆養生を不守 にて病おもき時は是非(ぜひ)なく養生すれども緩病(くわんひよふ)には 多(おゝ)く不養生なる故に生 涯(かい)病を治する事あたはず して終に死するもの多しこの故に先病ときは薬を 服(ふく)せんより養生を専(もつはら)とし次に薬とおもふべし纔(わつか) の薬をたのみとして日夜不養生なる時は何れの 時か病を治(じ)する事を得ん薬は何程の良薬たりといへ とも容易(よふい)に功(かう)を得かたし不養生はいさゝかにても忽(たちまち) 災(わさわひ)を得る故に常(つね)に此事(このこと)をよく〳〵おもひめくらし服(ふく) 薬中(やくちう)は養生を専にすべきことなり 【左丁】 ○病後(びよふご)心得(こゝろへ)の事 病中と病後との分(わか)り甚不心得ある故に爰(こゝ)にしる す病後とは全(まつた)く治(じ)したるにあらず邪(じや)の去(さ)り毒(どく)の 抜(ぬけ)たるをいふたとへば雷(かみなり)の落(おち)たる跡(あと)のごとく雷(かみなり)は去(さ)れ どもあとの傷損(そこなへ)はいまだ調(とゝのは)ざるがことし故に瘧(おこり)なと も截(きれ)さへすれば治したる様におもひ痢疾(りひよふ)抔(など)も大便 の度数 常(つね)に復(ふく)しさへすれば治(じ)したりとおもふは 大なる誤(あやまり)なり是皆 病(やまひ)の去る已(のみ)【ママ】にして全(まつた)く治したる にあらず他病もまた然りといへども傷寒(せうかん)時疫(じえき)瘧(おこり) 痢病(りひよふ)は別して病後の養生 大切(たいせつ)也瘧なとも截