翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 63

ページ: 63

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【右丁】 たとへば指なとをつめて痛(いたむ)といふも向(むかふ)へつまるは指(ゆび) つめるは物なり此 道(どふ)理にてよき《振り仮名:無_レ障|さわりなき》からだへいさゝか の陽気の行れぬ処ありても忽(たちまち)痛也是痛むは邪気 にて是邪気すくなく陽気(よふき)大いなるが故に痛なり 此故に金瘡(きんそう)なども至て大瘡(おゝきず)になれは痛ざるなり 是いかなれば行当る処なき故也故に腫物 抔(など)も腫れ様 先き尖(とが)りたるがごとく腫るゝはよき也是よき正陽の気 多(おゝ)き故悪敷邪をひろげぬ故に先き尖(とが)るなり然(しか)るに 腫物何れが口何れが先きとも不_レ知むつくりとは腫るは 大にあしく是虚症の腫物にて邪気と陽気の《振り仮名:不_レ争|あらそわさる》 【左丁】 が故に不痛なり故に不痛腫物は悪敷痛むを よしと知るべし ○熱病(ねつびよふ)の後うつとりとなるの理 熱病の後うつとりとなるを医書に冒(ぼう)するとありて 是理いかにといふに熱病の時心の臓の血を熱(ねつ)にて沸騰(ふつとふ)【左ルビ:にへかへる】 せしめたるうへ病後にて心肺のふいごとゝのはざる故に 前(まへ)のごとく血のこしらへよろしからずしてうつとりと するなりすべて人の物を見聞(みきゝ)覚(おぼへ)知(しり)する事は皆心の 臓の血(ち)に神(しん)の舎(やど)りて知(し)る事にて人身の健(すこやか)なるも 健(すこやか)ならざるも心(しん)の臓の血の動静(どふぜう)清濁(せいたく)による心臓の