翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 68

ページ: 68

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【右丁】 せし終にこのごとく皇国に伝染(でんせん)したりともいへり いつれそのはしめ漢土(もろこし)より伝染のものにて尤此二三 十年以前より至て多(おゝ)くなりたりとそ三四十年以前 は瘡(かさ)かきは癩病(らいびよう)のことくに云(いゝ)たると聞及べり其 時分(しぶん)は 今(いま)のごとく湿(しつ)にて耳(みゝ)鼻(はな)の落(おち)たるものもすくなかり しとぞ然るに近年は湿気次第に盛(さかん)になり百人の 病人の内七八十人は湿毒による後世にいたらは必 難治(なんじ) の湿毒(しつとく)あるべしされとも外来(ぐわいらい)の湿毒(しつとく)は養生の守り よけれは避(さけ)らるれども伝染(てんせん)の遺毒(いとく)は初生の時の解(け) 毒(とく)にあらざれば解(け)するの時(とき)なし故に初生(しよせい)の時に当(あた)りて 【左丁】 きひしくその毒を瀉下(しやげ)すべし ○遺毒(いとく)胎毒(たいとく)の事 遺毒とはつけおくりの毒といふ事にて先天の毒にて 父母より伝り染(そ)みたる毒をいふ則母の胎中よりうけ 得たる毒故胎毒ともいふ然し此毒といへども初生之砌 無油断(ゆだんなく)解毒(げとく)する時は後の憂目すくなかるべし ○初生(しよせい)の小児(せうに)養ひ様の事 近来 遺毒(いどく)の症(せう)多(おゝ)きこれ全小児初生の時 解毒(げとく)の法(はう) をおこなはざるによるすべて初生の時に療(りよふ)ずる時は易(やす)く 解(げ)すれども生長の後は至て難療(りよふじがた)ければ初生の砌に