翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 69

ページ: 69

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【右丁】 心得あるべき事なり尤 湿毒(しつとく)にかきらず一切の病(やまひ)の根(ね)と なる事多ければ小児初生よりの養ひ様其あらましを記す 小児生れたる時先 臍(へそ)の帯(お)を切る事 余(あま)り短(みしか)く切る事 よろしからずすこし長く切べし扨湯は人はだにし てつかはす事よし実は産湯(うぶゆ)をつかはす事よろし からずといへども是皇国の例(れい)として通(つう)してする事 なればつかはすべし余が知る処の小児五人有りし が是初生の時湯をつかわさす只 穢濁(ゑだく)を拭ふのみにて 七日を歴(へ)て後(のち)初めて湯(ゆ)に浴(ぞく)【「よく」の誤】せし者ありし其小児 生長の後至て壮実(そうじつ)なり然(しか)れども是は不浄の穢濁(ゑだく) 【左丁】 もあれば湯をつかはす事もよし漢土も今(いま)は湯(ゆ)をつか はす流(りう)もありといふ扨初生の間は衣服(いふく)を余(あま)り厚(あつ)く 覆(おゝ)ふ事よろしからすいさゝか薄着(うすぎ)の方よし多(おゝ)く 見るに初生の時は寒暑のわかちもなくみだりに衣服をおゝふ これ甚よろしからずたゝ時の気候(きかう)よりはすこしすゝしめに する事よし保嬰論に小児をそたつるには三分之寒と 三分の餓(うへ)を帯(おは)しむへしとて三分の寒(さぶ)みと三分の餓(ひたるいめ)を さす事よしとあり故に乳(ち)を呑(の)む内は此 心得(こゝろへ)にて育(そだ)つ る事よし富貴(ふうき)奉養(はうよう)の人之 虚弱(きよじやく)なるも初生の養様 不宜(よろしからさる)が故による下賤(げせん)の小児(せうに)之壮実なるを見て知るべし