翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 72

ページ: 72

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【右丁】 とすたとへ重しといへども順痘なる時は三日過て十日迄 の内に下剤を用る事はなき事なり然(しか)れとも至て難痘(なんとふ) なる時は三日の後十二日前にも下剤を用る事もあれども 是は変中の術(じゆつ)なり初下剤を用る時は裏に発(はつ)する事 なき故声の唖(か)るゝ事もなく裏(り)に発する事もなき故 たとへ外症六ケ敷といへども命にはかゝわらぬものなり兔 角難痘は裏に発(はつ)する事多くして発越(はつゑつ)の勢 悪敷(あしく) 三焦に鬱閉する故に死にいたるなり痘は裏(り)よりして表 へ急におし出す時は難痘にはならぬものなり故にはじめ 下薬を以て裏の毒(どく)を下し其後は急に表へおし出す 【左丁】 事をすべし起発かひなき時は食物に鶏卵(たまご)餅(もち)午房(ごばう) ねぎの類を食して烈敷(はけしく)発越さする事よし扨又 寒気を恐るゝ故に冬至(とふじ)前(まへ)の痘は至て六ケし其故は 発生(はつせう)の気なく収蔵(しうそう)の気(き)ばかりなる故に難痘(なんとふ)多(おゝ)し 故に其時(そのとき)は外に火を厚(あつ)くして陽気を以て外より ひく様にし内よりは張(は)り出す様にする事よし痘の 次第を委敷云時は甚長き故略其次第を記すのみ 扨また痘(とふ)に人参を用る事あれども近世の痘(とふ)に人参 を用る事大に害(がい)あり其故は痘(とふ)は裏(り)より発(はつ)する病 なる故に疎通(ひらきつう)ずる事をよろこび閉塞(とぢふさく)事を悪む然るに