翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 75

ページ: 75

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【右丁】 作をせずして魚肉を嗜(たしむ)が故に多病(たびよふ)なることあり是を いかにといへば人身の脾胃は陽気をもつて運行(うんかふ)をなす 其陽気を作(つく)り出す元は心肺(しんはい)にて其心肺を働(はたらか)すは呼吸(こきう) の一元気にて其呼吸よりして陽気を作る其陽気 の作り出し強(つよ)き時は胃中(いちう)運行(うんかう)よく其陽気を強(つよ)くしか けるは起居 動作(とふさく)を節(せつ)にする時は食事の消化(せうくわ)よし故に 食事の後は高貴の人たりといへども歩行する事をよし とす是(これ)脾胃(ひゐ)の運行(うんかう)をよくせんが為(ため)なり故に無病の人 起居動作をして折々(おり〳〵)魚類(ぎよるい)を食(しよく)すれば養生になれ ども富貴奉養の人魚肉をみだりに食し起居動作を 【左丁】 せざるときは其物 消化(せうくわ)せずして腐穢(ふゑ)をなす凡(およそ)癰疽(よふそ) を病む人(ひと)を見るに滋味(じみ)膏梁(かうりよう)を食(しよく)し起居 動作(どうさ)をせざる 人にて年五十より六十にいた至るころに発(はつ)す是皆 酒(しゆ)肉の食 毒(どく)年を歴てかもしなすものと見へたり故に魚肉をたし む人は平生 背(せ)に灸(きう)の絶(たへ)ざる様にするをよしとす ○留飲(りういん)の事 留飲のたまる理はいかなれは滋味(おもきあし)膏梁(あぶらけ)を食して起居【左ルビ:たちい】 動作をせざるときは胃(い)陽(よふ)の運行(うんかう)よろしからず水飲 津液(しんゑき)とならずして心下に停滞(ていたい)し又みだりに心(こゝろ)を 労(らう)する人はのびんとする神気を内へ引く故に陽(よふ)の